3 左側メラニン色素沈着部.2 患者は53歳,女性.上顎前歯部歯肉にメラニン色素沈着を認めた.モリタモリタ7 処置後1年経過時.左側は,充填処置と同時の浸潤麻酔下での処置であるが,右側は表面麻酔のみで処置可能であった.後戻りもなく,術前術後の変化に患者の満足度も高いものとなった.1 Er:YAGレーザーを用いたメラニン色素沈着除去(出力:30mJ~50mJ,20pps,コンタクトチップ:C400F).avvrus evitaumuCモリタモリタモリタ2AB125C1234567DGH5F2345lil024686GGEI2022/11/08 11:324 近心側メラニン色素除去後.拡大視野下にて沈着部のみを慎重に蒸散.5 メラニン色素沈着除去直後.Er:YAGレーザーでは,炭化層も形成されないため術野も明瞭で沈着部のみの蒸散が可能である.ケースの全貌はこちら…73742022/11/08 11:22p073-074_laser_part2-2_morita.indd 74ている(13).歯周組織再生療法を成功に導くためには術前後の管理が非常に重要である.マイクロスコープ下でEr:YAGレーザーを使用し治療するようになってから,術後の疼痛,腫脹などの臨床症状はほとんどなく,術後の創傷治癒も早期に安定するようになった(14,15).■今回使用した器材 recommended歯科用顕微鏡エルタニス M-spec問合先:(株)ヨシダTel. 03‐3845‐2911 本顕微鏡は電磁ロック機構を有しておりアームの取り回しは非常にスムーズである.さらに無段階ズーム,フォーカス機能をハンドルおよびフットスイッチのジョイスティックにより,顕微鏡ヘッドの電動X-Y微動の操作ができ,処置中の口腔内から,マイクロスコープ操作のために術者が手を離すことなく任意の位置や拡大倍率,フォーカスを設定できる.Er:YAGレーザーアーウィン アドベールEVO問合先:(株)モリタTel. 06‐6380‐2525/03‐3834‐6161 表面吸収型のレーザーで深部への影響が少なく,微小爆発の効果により根表面のエンドトキシンを効果的に除去でき,歯周治療に非常に向いているレーザーである.「アーウィン アドベール EVO」ンプラント周囲粘膜炎・インプラント周囲炎に対してもEr:YAGレーザーの使用の有効性が示唆されてきている(16).2. 青木章, 水谷幸嗣, 渡辺久, 和泉雄一, 石川烈, 冨士谷盛興, 千田彰, 吉田憲司, 栗原英見, 吉江弘正, 伊藤公一. ポジション・ペーパー(学会見解論文)レーザーによる歯石除去. 日歯周誌. 2010;52(2):180‐90.2022/11/08 11:32p100-105_laser_part3_morita.indd 105105summary巻頭アトラス40pで紹介1002022/10/31 8:36p100-105_laser_part3_morita.indd 100保護樹脂膜ガラスチューブ銀膜誘電体ポリマーコート空気 歯科用レーザーの中でも,水への吸収率がもっとも高い表面吸収型のレーザーであり,その特性から周囲組織への侵襲が少なく早期の治癒が得られる点を挙げたい.レーザーの照射面は蒸散により殺菌され,組織賦活効果もあるため,硬・軟組織ともに疼痛の軽減,治癒の促進をもたらすことが報告されている.生体に優しく効果が得られ,レーザー治療に取り組む際に安全に使用できる機種と考えた. Er:YAGレーザーの臨床での適用範囲は想定以上に広いものであった.さまざまな治療における学術論文も多く,モリタ社からは研修会の機会や臨床レポートが提供されており,導入後の活用に取り組みやすいと感じている.また,徐々に広がってきた保険適用範囲に加えて,Er:YAGレーザーでは,う蝕歯無痛的窩洞形成や手術時歯根面レーザー応用といった加算も認められており,導入後の診療報酬におけるメリットである.reportされるのはこちら川畑正樹鹿児島県開業(医)皓歯会 かわばた歯科医院連絡先:〒898-0016鹿児島県枕崎市高見町273-1三愛ビル2F アーウィン アドヴェール EVOは,安定したカートタイプで,起動も早いため必要が生じた際の準備も容易である.ディスプレイの視認性は高く,プリセット機能もあり細かな設定が可能である.ハンドピースは,アームが柔軟で動かしやすく,チップの選択により繊細な照射ができる.この操作性の良さに加えて,タービンのような振動音もなく,無麻酔や表面麻酔のみで処置を完了できる場合も多く,小児から有病高齢者まで安心して用いている.歯科医師会雑誌. 2003;56(1):4-13.712022/11/08 11:21p073-074_laser_part2-2_morita.indd 73PART3 歯科用レーザー 私の使いどころと関連必須アイテム2)根面のデブライドメント 根面のデブライドメントのコンセプトは80年代から90年代にかけて変化し,Gently debridementにてバイオフィルムのみを除去し,セメント質を極力温存し結合組織性付着を促す方向へと変化してきた.それにはEr:YAGレーザーが非常に有効である2.また歯髄への熱影響がなく歯根面の炭化をともなわない歯石除去が可能であり,歯根面および周辺組織の殺菌も可能で線維芽細胞の根面への良好な付着が期待できる(7~10).「アーウィン アドベール EVO」mini column●選択の理由 かねてより,歯周外科治療のデブライドメント時に狭いところへアクセスできる有効なインスツルメントを探していた.Er:YAGレーザーは硬組織に使用でき,狭くて深い骨欠損や根分岐部病変など痒いところに手が届くさまざまなチップが用意されており,さらにMINST(低侵襲非外科治療)やインプラント周囲粘膜炎・インプラント周囲炎の治療時にも応用可能であると考え,導入することとした. 筆者自身の術後メインテナンスのプロトコルに則り,術後管理を行っ②血餅の安定:Blood clot stability 歯周組織再生療法を成功に導くための3原則(①血餅の安定,②創傷部の保護,③スペース確保)がある.このなかでもっとも重要なのが①血餅の安定であり,②,③も最終的にはこの①血餅の安定をめざしている.血液が浸潤した移植骨表面をEr:YAGレーザーにより凝固させ,形態の保持安定を図り、スペースメイキングを獲得する3,4(11,12).9 リエントリー時.硬組織を確認.●これから購入する読者へのアドバイス 歯科用レーザーにはさまざまな特性があり,どのようなシチュエーションでレーザーを使いたいのかを購入前に十分に考えておくことが重要である.なかでも硬組織に使用できる唯一のレーザーであるEr:YAGレーザーは応用範囲が非常に広い.とくに歯周治療においては非外科治療・歯周外科治療ともに非常に有用であり,また今回新たに適応となったイ「アーウィン アドベール EVO」●導入後の使い勝手 ハンドピースやアームの取り回しが良く,使用感は非常に良好である.Er:YAGレーザーは接触型レーザーであり,ハンドピースに接続するチップによってさまざまな効果が得られるが,光ファイバーの特性や損傷を理解しレーザーの減衰に注意する必要がある.今回は歯周組織再生療法を中心に供覧させていただいたが,他にも多くの場面で使用し好感触を得ている.2022/11/08 11:32p100-105_laser_part3_morita.indd 104表1 使用目的と効果・効能疾患名処置名効果・効能(1)硬組織疾患①う蝕除去 ②くさび状欠損の表層除去蒸散(2)歯周疾患①歯周ポケットへの照射 ②歯石除去 ※1③ポケット掻爬 ④歯肉形成⑤フラップ手術切開,蒸散(3)軟組織疾患①小帯切除 ②歯肉切開・切除③口内炎の凝固層形成 ④色素沈着除去切開,止血,凝固,蒸散※1 天然歯,歯科用インプラントなどに付着した歯石の除去.図1 Er:YAGレーザー装置の変遷.幅広い適応症例 Er:YAGレーザー装置「アーウィン アドベールEVO」は,硬組織疾患,歯周疾患,軟組織疾患の処置に対応している.歯肉の切開・切除に限らず,う蝕の除去,歯石の除去など歯やインプラントそのものに注水をしながら直接レーザーを照射できることが最大の特長である(表1). 1996年に当社が日本で最初の歯科用Er:YAGレーザー装置「アーウィン」を発売した.発売後も一貫したポリシーのもと臨床現場からの要望を絶えず取り入れ,多くの症例に対してそれぞれ最適なチップや照射条件を備える装置として進化を続けてきた(図1). そして,このEr:YAGレーザーの歯科診療に対する有効性,普遍性が認められ,2008年にはう蝕歯無痛的窩洞形成加算が,国内での熱心な歯周治療への応用研究の結果1,2,2010年には手術時歯根面レーザー応用加算が,2018年には口腔粘膜処置および手術時のレーザー機器加算がそれぞれ保険収載された.図2 Er:YAGレーザーの吸収特性.図3 Er:YAGレーザーの吸収特性.インプラント周囲の歯石除去に対応 Er:YAGレーザーは,水に対する吸収特性が非常に高く,この特性を利用して硬組織の蒸散や軟組織の切開を行うことができる(図2).また,照射部の表層のみで反応し熱の発生は微小であるため,安全性の高いレーザーといえる(図3).この特性を応用し,2022年春,インプラント体に付着した歯石の除去に使用することが承認された(表1 ※1). 一方で,インプラント体のスレッドの裏側(根尖側)については,従来の器具ではアクセスが非常に困難であった.そこで,レーザーのエネルギーの多くが側方に照射されるチップ「R600T」を開発した.前述した水への高い吸収特性を応用し,レーザーが水に吸収された際に発生する気泡が当たる力を用いて,インプラント体のスレッドの裏側に付着した歯石の除去を行うことができる(図4).図4 R600T.水中でレーザーを照射した様子(ハイスピードカメラで撮影).70p069-071_laser_part2-1_morita.indd 70summary手用器具や回転切削器具と違い,接触せずとも光が到達すれば生体組織への蒸散が可能であり,デブライドメントが困難であった部位の治療をはじめ,歯髄温存療法の新しい術式を生む可能性を有する.山口文誉神奈川県開業山口歯科医院〒231-0005神奈川県横浜市中区本町3-24-2ニュー本町ビル1F巻頭アトラス40pで紹介 患者は55歳の女性で,上顎前歯部の動揺を主訴に来院.診断は広汎型■術前1慢性歯周炎StageⅢGrade C.₂部にフレミタスがあり二次性咬合性外傷が認められ,デンタルエックス線写真,CBCT所見より重度な骨吸収が確認できた.歯周基本治療後の再評価時,同部位にBOPをともなう10mmの深い歯周ポケットが残存していた(1~4).p100-105_laser_part3_morita.indd 1002022/11/08 11:3213期間来院頻度 【治療部位周辺】歯ブラシ・歯間ブラシ・フロスの使用中止口腔ケア・洗口剤による軽いうがい 1日2回・1回1分間 【その他の部位】・通常どおりのブラッシング1112141112 Er:YAGレーザーを用いて移植骨表面に血餅を形成し形態の保持安定化を図る(50mJ/pps・20Hz, 非注水・非接触デフォーカスモード).1415 術後3年5か月.BOP(-),歯周ポケットは3mm以内に減少し安定している.デンタルエックス線写真から歯槽骨の回復が確認できる.advice103104手用器具や回転切削器具と違い,接触せずとも光が到達すれば生体組織への蒸散が可能であり,デブライドメントが困難であった部位の治療をはじめ,歯髄温存療法の新しい術式を生む可能性を有する.山口文誉神奈川県開業山口歯科医院〒231-0005神奈川県横浜市中区本町3-24-2ニュー本町ビル1F慢性歯周炎StageⅢGrade C.₂部にフレミタスがあり二次性咬合性外傷が認められ,デンタルエックス線写真,CBCT所見より重度な骨吸収 患者は55歳の女性で,上顎前歯部の動揺を主訴に来院.診断は広汎型■術前1PART2 歯科用レーザー 各製品のそこが知りたいuser's report●選択の理由早期の創傷治癒を実感●購入をお勧めする理由●導入後の使い勝手射により温度上昇も少なく炭化層もできないことから,軟組織の治療では,極めて早い治癒が得られる.こ Er:YAGレーザーは,注水下の照が確認できた.歯周基本治療後の再評価時,同部位にBOPをともなう10mmの深い歯周ポケットが残存していた(1~4).「アーウィン アドベール EVO」視野下にてメラニン色素が存在する部位のみを蒸散する.注水下では視認性も高く,チップの角度により蒸散深さを調整し処置することで,歯肉が薄い場合でも骨に対する熱損傷は起こりにくい.無麻酔や表面麻酔のみで処置できることも多く,術後疼痛も少ないうえ治癒も早く,術前の特性を生かしたメラニン色素沈着除去法を提示する(1~7). 歯肉の色素沈着部に対して,拡大スタッフからひとこと!髙橋雅仁(歯科医師)おもに歯周外科治療に使用しているが,マイクロスコープ下でEr:YAGレーザーを使用することで従来より細かな部分までアクセスが可能となり,より確実なデブライドメントができるようになった.また臨床実感としては,早期治癒が期待できメインテナンス中の再発も少ないと感じている.山口文誉神奈川県開業山口歯科医院〒231-0005神奈川県横浜市中区本町3-24-2ニュー本町ビル1F1 Er:YAGレーザーは歯周組織再生療法において欠かせない機器である.とくにデブライドメント時と血餅安定を促す際に大変有効である.Er:YAGレーザーはセメント質を極力温存しながら根面のデブライドメントが可能で,歯髄への熱影響がなく歯根面の炭化をともなわない歯石除去ができ,歯根面および周辺組織の殺菌効果も期待できる.また狭くて深い骨欠損や根分岐部病変など,痒いところに手が届くさまざまな形状のチップが用意されている.140p040-041_laser_part1_morita.indd 40図5 PSM600T.先端部を金属で覆っている.図6 中空導波路の構造.表2 製品仕様(アーウィン アドベールEVO)アーウィン アドベール EVOAC100V 50/60Hz1.5kVA高度管理医療機器(クラスⅢ),特定保守管理医療機器21500BZZ00720000販売名電源消費電力機器の分類医療機器承認番号レーザー製品のクラス分け(IEC60852-1)クラス4(Er:YAGレーザー)クラス2(可視LD(ガイド光)パルス発振Er:YAG30~350mJ/パルス (ハンドピース先端)1,3.3,5,10,20,25pps2.94μm650±15nm伝送ケーブル方式レーザーの発振方式レーザー媒質レーザー光の出力エネルギー繰り返し速度発振波長ガイド光波長伝送方式歯周疾患の治療に最適なチップデザイン 「アーウィン アドベールEVO」に装着可能な16種類のチップをラインアップしている.レーザー光のパターンや噴霧構造の違いに加え,長さや太さの違いがあり,これらを駆使して硬組織疾患,歯周疾患,軟組織疾患に対し繊細な治療を可能にしている. その中でも直近に追加された「PSM600T」を紹介する(図5).これまで歯肉縁下などチップ先端が目視できない処置においては,チップ先端のガラス部分を損耗しないよう慎重な手技が要求されたが,ガラス部分を金属で覆うことにより先端折れに対する耐久性を向上させた.先端部はテーパー形状になっており任意の部位へのアクセス性にもすぐれている.操作性・耐久性にこだわった筐体設計 発振装置からハンドピースまでのレーザーの伝送には,従来の光ファイバーやマニピュレーター式とまったく異なるコンセプトで開発された,信頼性の非常に高い中空導波路を採用している.材質の劣化による伝送効率の低下がないことが最大の特長である(図6).中空導波路を支持する伝送装置全体の設計にもこだわり操作重量は非常に軽く長時間の治療における負担を軽減している. 装置全体を見ると,必要なポンプ類などはすべて内蔵しており電源コンセントの接続だけで使用可能なスタンドアローンを実現し,従来のものと比べ医院内での取り回しと移動を大幅に容易にした. アフターサービスにおいては25年以上蓄積し続けてきた豊富なノウハウでユーザーをサポートしている.本体装置は自社生産であり,ハード,ソフト両面で将来にわたり万全のサービスを提供していく(表2).参考文献1. Ando Y, Aoki A, Watanabe H, Ishikawa I. Bactericidal effect of erbium YAG laser on periodontopathic bacteria. Lasers Surg Med. 1996;19(2):190-200.2. 石川烈ほか. 歯科におけるレーザー治療の現在. 日本2022/11/08 11:21p069-071_laser_part2-1_morita.indd 71PART3 歯科用レーザー 私の使いどころと関連必須アイテム開業 2006年専門分野 歯周治療.とくにマイクロスコープ下での低侵襲歯周組織再レーザーを導入しようとしたきっかけは? 歯周組織再生療法の成功率向上.とくにデブライドメントの確実性を生療法.現在の主なレーザー利用分野は? 歯周治療・インプラント周囲疾患.とくに歯周外科治療時のデブライドメント,骨移植材の血餅凝固,MINST(低侵襲非外科治療),インプラント周囲疾患における炎症のコントロールとデコンタミネーション.上げるために.資金 現金にて購入.2015年(42歳)Er:YAGレーザーを導入し,歯周治療の成績向上を実感する.8点2022年(50歳)Er:YAGレーザーとマイクロスコープを用いて低侵襲歯周組織再生療法を行うことにより,成功率の向上を実感している.9点1998年(26歳)昭和大学歯学部卒業後,都内歯科医院に勤務し専門的な歯周治療を学ぶ.4点2011年(38歳)日本歯周病学会指導医を取得.マイクロスコープを導入.7点1996年(24歳)昭和大学歯学部在学中に歯周治療に触れる.2点2006年(33歳)横浜市にて山口歯科医院を開設.6点2003年(30歳)日本歯周病学会専門医を取得.5点 近年,根尖付近までアタッチメントロスした歯でもペリオドンタルマイクロサージェリーを応用した低侵襲歯周組織再生療法により長期的に安定した良好な結果が得られており1(5,6),患者と相談した結果,歯周組織再生療法を行うこととした.p100-105_laser_part3_morita.indd 1012022/11/08 11:32p100-105_laser_part3_morita.indd 1036 術後7日,良好な上皮化がみられた.2022/11/08 11:22PART3 歯科用レーザー 私の使いどころと関連必須アイテム歯周組織再生用材料エムドゲイン ゲル問合先:(株)ヨシダTel. 03‐3845‐2911 エムドゲインが登場してから4半世紀経過し,エビデンスも多く蓄積され,安心して使用できる非常に有用な再生材料である.3. Taniguchi Y, Aoki A, Sakai K, Mizutani K, Meinzer W, Izumi Y. A Novel Surgical Procedure for Er:YAG Laser-Assisted Periodontal Re-generative Therapy: Case Series. Int J Periodontics Restorative Dent. 2016 Jul-Aug;36(4):507‐15. 4. Aoki A, Mizutani K, Taniguchi Y, Komaki M, Ejiri K, Mikami R, Izumi Y. Periodontal Pocket Therapy using Er:YAG Laser. Systematic Review of Literature and Introduction of a New Treatment Proce-dure. The Journal of Japan Society for Laser Surgery and Medicine. 2017;38(2):167‐78.2022/11/08 11:32術後の変化から患者満足度の高い低侵襲な治療を可能にする.歯根面,骨面のデブライドメントおよび血餅の安定をEr:YAG レーザーにより達成する.PART2 歯科用レーザー 各製品のそこが知りたい歯科用レーザーを導入するまでの臨床の道のりと臨床レベルの自己評価(10点満点)Er:YAGレーザーを応用した低侵襲歯周組織再生療法10 year survialTxRegenerationRepiacementRegeneration-censoredRepiacement-censored1.00.80.60.40.20.0years10Clinical improvements after periodontal regeneration and tooth prognosis in the test group (mean±SD)1-year7.7±2.84±1.72/235-year7.6±2.73.4±0.80/23a10-year7.3±2.33.4±0.80/22bOutcomesCAL gain (mm)Residual PPD (mm)Tooth prognosis(hopeless/favourable)a:1年後予後不良の2歯は抜歯,b:8年目に外傷のため1歯は抜歯.56 根尖付近までアタッチメントロスを起こした歯に対し抜歯後ブリッジまたはインプラント治療を行った群(赤線)と,歯周組織再生療法を行った群(青線)の10年後の比較.生存率に優位差はなく,さらに再生療法群では10年後のCAL gainは7mm以上あり,残存歯周ポケットも3.4mmと非常に経過良好であった1.1234 根尖付近まで及ぶ重度な骨吸収像が確認でき,頬側にはBOPをともなう10mmの深い歯周ポケットが確認できた.101光侵入深さ吸収係数(cm-1)1μm100μmヘモグロビンメラニン水Er:YAGCO210610510410310210110-110-210-310mm1m半導体Nd:YAG0.20.40.610波長(μm)100第1期第2期第3期第4期術直後〜1週間後(抜糸)2週間後〜1か月後1か月後〜9か月後(再評価)メインテナンス2〜3日ごと1週間ごと1か月ごと3か月ごと 【治療部位周辺】歯間ブラシ・フロスの使用中止・ 超軟毛ブラシにてブラッシング再開通常どおりのブラッシング 【その他の部位】・通常どおりのブラッシング13 筆者が実践している術後管理のプロトコル.歯周組織再生療法を成功に導くためには術後の厳格なコントロールがとても重要である.15advice10 最終修復物装着6か月後のデンタルエックス線写真.参考文献1. Cortellini P, Stalpers G, Mollo A, Tonetti MS. Periodontal regenera-tion versus extraction and dental implant or prosthetic replacement of teeth severely compromised by attachment loss to the apex: A randomized controlled clinical trial reporting 10-year outcomes, sur-vival analysis and mean cumulative cost of recurrence. J Clin Peri-odontol. 2020 Jun;47(6):768‐76.16 筆者の医院では,歯周外科,インプラント周囲粘膜炎・インプラント周囲炎の治療時にEr:YAGレーザーを使用する.Er:YAGレーザーを応用した低侵襲歯周組織再生療法低侵襲な歯科治療を可能にするEr:YAGレーザーFOR GUIDED TISSUE REGENERATIONEr:YAGレーザーを低侵襲歯周組織再生療法へ適用するEr:YAG Laser TechnologyFor a Wide Variety of TreatmentsPART1PART2PART3
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