お口のなかに棲むジンジバリス菌は、凶暴な歯周病菌であるだけでなく、命さえ奪いにくる残忍酷薄な細菌です。ここではやつらの口のなかでの悪さを取り上げ、34〜37ページでは命に関わるとんでもない悪行を暴きたいと思います。歯ぐき（英語でジンジバ）に由来するジンジバリス菌は、何種類もの歯周病菌を手下にして統率力を発揮することから、歯周病のキーストーン病原菌（歯周病菌群のかなめとなる菌）とされています。ジンジバリス菌がタンネレラ菌とスピロヘータのトレポネーマ菌を従えると、「レッドコンプレックス」と呼ばれるさらに凶暴な悪玉3兄弟となります。 この3兄弟が口のなかに居座ると、歯周ポケットのなかは危険地帯のレッドゾーンと化し、歯を支える骨がどんどん破壊されて重度の歯周病を引き起こします。悪玉3兄弟は、そろいも揃って歯を支える組織を壊すタンパク質分解酵素と内毒素を保有する、たいへん攻撃的な極道者なのです。私は東京歯科大学を卒業してジン ジバリス菌研究に取り組み、この菌が細い線毛で細胞に付着することを１９７４年に明らかにしました。以悪の総帥はこいつです線毛と毒素を駆使し巨大な細菌集団に！歯周病の元凶、タンネレラ菌トレポネーマ菌32本名得意技好きな食べ物ジンジバリス菌●ポルフィロモナス・ジンジバリス●線毛を使い細胞にピタリと定着する。●強力なタンパク質分解酵素を出し悪行を尽くす。●壊れた歯ぐきから染み出る血液や浸出液の成分！case4歯周ポケットの悪の帝王であり、もっとも凶暴な歯周病菌。手下と悪玉３兄弟「レッドコンプレックス」を結成し大暴れ。歯周ポケットに潜むグラム陰性菌ジンジバリス菌 その1
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