睡眠と呼吸_歯医者さんの知りたいところがまるわかり
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Chapter睡眠薬解説:今井一彰 GABA受容体作動薬であるBZD系はGABAのはたらきを強め、抗不安、催眠、筋弛緩、抗痙攣の作用を示します。作用時間によって分類されており、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒などの睡眠障害パターンにより使い分けられています。ただしふらつきや一過性前向性健忘、アルコールによる作用増強、依存性、反跳性不眠(中止することにより不眠がひどくなる)があり、あまり推奨されなくなりました。ただ図1内の赤字の薬剤は、作用は弱いものの副作用が比較的起こりにくいため、よく用いられています。 GABA受容体は、ωオメガ1と2に分かれますが、従来のBZDでは両方に作用するため、催眠(ω1)の他に筋肉の弛緩(ω2)などを起こします。そのため現在は、ω1のみに作用する非BZDが頻用されています。ちなみに、私は中時間作用型のフルニトラゼパム1mgを試しに服用したことがありますが、翌日の午前中いっぱいは眠気とふらつきで仕事になりませんでした。48もうヒツジ数えなくていいんだ~ 睡眠薬について「一度使うとクセになりませんか?」「一生飲まないといけなくなったら怖いです」といったことを患者さんからよく質問されます。そんなときは、「眠れないときは薬を使ってでも寝たほうがよいですよ。最近はクセにならない薬もありますから、眠れないときだけ使っても大丈夫ですよ」と答えています。 睡眠薬にもいろいろな種類があります(図1)。大きくGABA受容体作動薬(ベンゾジアゼピン系[BZD]と非ベンゾジアゼピン系[非BZD])、オレキシン受容体拮抗薬、メラトニン受容体作動薬に分けられます。日本では以前からBZDが使われてきましたが、最近は変わってきています。GABA受容体作動薬睡眠薬は クセになる?20

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