aaabcbbd図2a、b 本症例のために製作したサージカルガイド。図3a、b サージカルガイド装着時(a)および最終補綴装置装着後(b)。印象採得はスキャンボディを装着した状態で口腔内スキャナーを用い、上部構造はCAD/CAMで製作した。図4a~d 埋入シミュレーション時(a、b)と、実際の埋入後のインプラントポジションの比較(c、d)。49インプラント埋入シミュレーション用ソフトを活用した例(続き)合が多い。よって術者は、インプラント治療は不可逆的なものとして捉える必要があり、治療結果の均質化がつねに求められると考える。とくに、審美領域では確実な埋入が求められ、若干の誤差が審美的に不満足な結果につながってしまう場合も考えられる。ここにおいて、正確な検査・診断、およびシミュレーションの後に行われるガイデッドサージェリーは、解剖学的なリスクの軽減、補綴主導型インプラント埋入計画・実行に役立つ。 こうしたガイデッドサージェリーは、経験の浅い術者のみならず、熟練の術者においても有用であると考えられる。熟練の術者はかつて、歯科用コーンビームCT(CBCT)による断層画像や口腔内模型などからインプラント手術のイメージをつかんできたが、彼ら熟練者にとっても今やガイデッドサージェリーは必須と考えられる。さらに、口腔内スキャナー(IOS)の普及により、印象採得、インプラント手術計画、施術、補綴装置製作とすべての流れがデジタル化されてきている。だがこうした時代にあっても、インプラント治療に携わる歯科医師・歯科技工士にとっての基本的な知識、またガイデッドサージェリーの術中であっても急な治療方針の変更に対応できるスキルの獲得は必要不可欠であると考える。 それでは以下に、現在入手できる主なインプラント埋入シミュレーションソフトおよびガイデッドサージェリーのシステムについて示していきたい。 2022年7月の執筆現在、インプラント埋入シミュレーションソフトおよびガイデッドサージェリーとして薬機法の認可を獲得している日本国内のサービス・システムは、①iCAT、②デンツプライシロナ、③和田精密歯研、④ノーベル・バイオケア・ジャパン、⑤ストローマン・ジャパンの5社である。以下にその概要を示す。1)Landmark System(iCAT) iCAT社の「Landmark System」は、①インプラントシミュレーションソフト「LANDmarker」、②手術用ガイド「Landmark Guide」、③CAD/CAMクラウン「Landmark 1.各システムおよびソフトウェアの説明Chapter 1 インプラント埋入シミュレーション用ソフトとガイドシステムを知る
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