GPのアライナーシュミレーションガイド
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アーチレングス・ディスクレパンシー0mm-6mmIPRと遠心移動で対応インビザラインGO:イージーコンプリヘンシブ-10mm抜歯も検討図23 筆者の考えるIPR・抜歯基準。※IPR=0.5mm×11ヵ所 遠心移動=片側最大3〜4mm(上顎4mm・下顎3mm) アライナー特有のトラブルを踏まえ、続いてそれぞれの症例を解説する。まずはシンプルなⅠ級叢生である。 まず初めに、どのような症例が抜歯ケースで、どのような症例が非抜歯なのか、何を基準にインビザラインGoにするのか、コンプリヘンシブにするのかを考えるべきである。歯科矯正学的な抜歯基準はトータルディスクレパンシーが−4mm以下であれば抜歯適応となる(下顎前歯の歯軸の変化が重要となりセファロを用いたFMIAの計測が必要となる)。 それをふまえたうえで筆者はクリンチェックではセファロ分析が使用できないことを考慮してアーチレングス・ディスクレパンシーを基準に考えており、それによって症例の難易度を考えるきっかけにしている(図23)。 ディスクレパンシーが−6mmまではイージーケース、−6mmから−10mmまでが抜歯でも非抜歯でも可能だが大臼歯の遠心移動をともなうケース、10mm以上が抜歯をともなう難症例と考えている(図24)。したがって、使用するアライナーは−6mmまではインビザラインGo、−6mm以上はコンプリヘンシブと考える。 さらにイージーケースについて掘り下げて考えてみる。本当にイージーと言えるのは、① 臼歯が1級② ディスクレパンシー6mmまで③ 回転は40°まで④ 正中のズレは1mmまで⑤ 拡大は片側2mmまでである。この範囲であれば、アライナーの枚数は20枚前後でほぼ終わらせることができる。 図25の症例は一見叢生が強く見えるが、前述したイージーケースの条件を満たしており、全部で19枚で終わる治療計画となった。見た目の叢生具合より図24 ディスクレパンシーが−6mm以上の症例。下顎前歯の幅径が5.5mmだと考えてイメージしてもらいたい。1105-3 Ⅰ級叢生症例

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