図解矯正歯科治療が面白いほどわかる本
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α+03+αを知っておこう!第4章 「マルチブラケット治療」の実際トルクを強めたいときトルクを弱めたいとき142143145144146 抜歯ケースで上顎前歯を後方移動させる際,上顎4前歯がトルクを失い,舌側傾斜してしまうことがよくあリます.舌側傾斜した歯冠をふたたび唇側傾斜させるには,通常,アーチワイヤーの前歯部にトルクを付与します.そのことによって,上顎4前歯にはブラケットを中心に反時計回りに回転させようとする力がかかり(図142),切端は唇側方向に,根尖は舌側方向に移動することになるので,歯冠の舌側傾斜が改善されるのです. ベンディング法を解説します.図143のような,オメガループを付与した角のアーチワイヤーを用意します.次に,前歯部に切端側が凸になるような緩やかなカーブを付与します(図144,145).このことによって,アーチ全体に歯冠を唇側傾斜させるようなトルクが付与されることになります.その後,側切歯の遠心部を2本のプライヤーでつかみ,犬歯より後方部のトルクを0°に戻すことにより,前歯部のみに歯冠を唇側傾斜させるトルクが付与されたワイヤーができあがります.前歯部トルクの強弱は,側切歯より後方のワイヤーを上下させることによって調整できます(図146).215前歯トルクの調整法

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