歯科医師・歯科技工士のための 最新ジルコニア修復
3/6

現在のジルコニアレストレーションの設計とシェーディングの考えかたCADソフト上で患者固有の顎運動を反映させる 弊社で使用するジルコニアは、ほぼすべてCeramill Zolid(Amann Girrbach,朝日レントゲン工業)で統一してクオリティの安定化と色調再現におけるマネージメントを行っている。本症例では残存歯質と透明感を近似させる目的で、ラインナップの中でもっとも透光性が高いCeramill Zolid FX multilayer(5Y、図17)を使用した。本ジルコニアの特徴として、各層すべてに5Yのジルコニアパウダーを積層しているため、強度的に安定しており、マルチレイヤーディスクに見られがちな各層の境界が見られず、シームレスできれいなグラデーションで焼結される。また、1枚のディスクの上部と下部で7613異なるシェードとなることから使い分けることができ、汎用的であるといえる。 筆者のラボではジルコニアディスク本来の明度と色調を把握するためにカスタムシェードタブを製作して使用している(図18)。これを目標となる天然歯やVITAクラシカルシェードガイド(VITA Zahnfabrik,白水貿易)とともに撮影することで、ミリングするディスクの選択やネスティング位置の指標としている。大きさはVITAクラシカルシェードガイドのシェードタブと同サイズにすることで、面積対比による錯覚の防止を図っている。 シェード分析はMac OSアプリケーションのDigital Color MeterでL*a*b*値(L*:明度、a*:赤み、b*:黄色み)を比較することでカラーリングリキッドの要否、エクスターナルステインの参考としている(図19)。Part1-5図15 プライマリー形態の付与による干渉部のカラーマップ(Dynamic機能)とNFRコンセプト。図16 NFRコンセプトに基づいたファセット形態の付与。図12a ファセットが見られ、象牙質が露出している。図12b ファセットマップ。ab図13 Choose which teeth influence articulator movementで影響の有無を任意で変更可能。図14 グレーにペイントされた歯のガイドが無効となり、上顎3Dモデルに食い込んでいる状態。148.ネステイング〜ミリング1-5)ジルコニアインレー修復:症例と製作法

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る