現在のジルコニアレストレーションの設計とシェーディングの考えかた唇側面のカットバック量舌側のジルコニアのデザイン(面積)a.舌面すべてが28小多小多①monolithicジルコニア②thin layeringb.舌側切縁までジルコニア③light layeringc.切縁はポーセレン④full layeringc'.切縁の一部がd.切縁と両側隣接面がポーセレンポーセレン唇側面のカットバック量×ジルコニア舌側バッキングのデザイン ここまでの考察から、ジルコニアにはそれぞれの材料的特徴、そして強度が各々に異なってくることが理解できた。すべてのケースにおいて、どの材料を選択すべきか正しく検討していく必要があることは読者諸氏にも周知のとおりである。もちろんそこには二ケイ酸リチウムのガラス系セラミック、あるいはメタルのフレーム製作など、今日ではその材料選択も幅広い。ここではジルコニアのみに注目し、どの強度、どの透光性、どんなフレームデザインとするか、いくつか例を挙げさせていただこうと思う。レイヤリングするのかしないのか、残存天然歯の色調的特徴はどのようなものなのかなど、部位や補綴される本数、咬合状態を確認し選択する。この選択は決して複雑なものではなく、実際には非常にシンプルである。 以下はクラウンによる前歯部補綴治療に限定し、ジルコニアを用いた4タイプのレイヤリング層の厚み、5タイプの舌側バッキングのデザインとして分類する。筆者はこれら9つのデザインを組み合わせることで、それぞれのケースの状況に対応している(図3)。1)唇側面のカットバックの量①monolithic 唇側面のカットバックは行わない。いわゆるステイン法とよばれる、ポーセレンを築盛することなく、ジルコニア表層にステインを塗布して終了する方法である。Part1-2図3 唇側面のカットバック量(図中上段)と、ジルコニア舌側バッキングのデザイン(図中下段)。材料特性を考慮した唇側面のカットバック量×ジルコニア舌側バッキングのデザイン1-2)ジルコニアレストレーションの分類と適応症
元のページ ../index.html#1