歯科保険請求2022
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(94)1)有効とされる症例 2)適用を避けるべき症例 義歯磁石構造体キーパー根面板歯根磁石構造体キーパー図1 磁性アタッチメントの構造。 令和3年9月1日より保険収載された磁性アタッチメントとは、義歯に埋め込んだ磁石構造体と、支台歯に埋め込んだ磁力はもたないが磁気に反応するキーパーとを吸引させ安定をはかる支台装置である(図1、2)。令和4年2月1日現在、フィジオマグネット(製造販売:ケディカ、販売元:モリタ)とマグフィット®M(製造販売元:愛知製鋼)の2製品が保険承認されている。ともにダイレクトボンディング法でキーパーとキーパーの装着されていないキーパー付き根面板を接着性レジンセメントで装着させる製品となる。なお、実施にあたっては「磁性アタッチメントを支台装置とする有床義歯の診療に対する基本的な考え方」(令和3年8月 日本歯科医学会)を参考とすることとされている。①多数歯欠損症例の場合・9歯以上の部分床義歯(局部義歯)または全部床義歯(総義歯)に相当するオーバーデンチャー症例:少数の残存歯への適用は、義歯の維持・審美性・快適性・負担などの観点から有効②遊離端欠損症例の場合・片側の大臼歯すべて、またはそれ以上の欠損がある症例:欠損に隣在する歯に支台装置としての適用は、義歯の維持・審美性・快適性・対応性(修理など)・耐久性などの観点から有効 ①、②いずれの場合においても、支台歯数はクラスプを含めて、片顎1〜4歯となる症例が一般的である。設計の基本原則は、磁性アタッチメントにおいても基本的にはクラスプ義歯と同様である。・歯周組織の状態が不良な症例・口腔清掃が十分に行えない症例・継続的な義歯の管理が行えない症例・対合歯列とのスペースが狭く、義歯床の破折を生じるおそれのある症例・義歯床用軟質裏装材を使用し床裏装を行った症例・全身的な既往からMRIによる頭部の検査を高頻度で要すると考えられる症例図2 磁性アタッチメント義歯。1.磁性アタッチメントの適用磁性アタッチメントの保険導入

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