薬 YEARBOOK '21/'22
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薬品名(商品名)レムデシビル(ベクルリー)抗ウイルス薬ファビピラビル(アビガン)デキサメタゾン免疫抑制薬バリシチニブ(オルミエント)トシリズマブ(アクテムラ)呼吸管理・酸素吸入抗ウイルス薬免疫抑制薬抗血栓薬用法・用量初日200mg2日目以降100mg1日1回点滴静注5日間(最長10日間)初日3,600mg2日目以降1,600mg内服10日間(最長14日間)6mg 1日1回(経口・経管・静注)10日間4mg1日1回内服最長14日間8mg/kg単回点滴静注発症早期前半ウイルス増殖軽症ファビピラビルレムデシビル対象臨床試験(対照群との比較)回復までの期間短縮 10日 vs 15日死亡率改善傾向 11.4% vs 15.2%症状改善、ウイルス陰性化までの期間短縮 11.9日 vs 14.7日死亡率改善人工呼吸管理例  29.3% vs 41.4%酸素吸入例 23.3% vs 26.2%症状回復までの期間短縮7日 vs 8日死亡率改善 31% vs 35%中等症~重症軽症~中等症中等症~重症中等症~重症中等症~重症後半中等症Ⅰ中等症Ⅱ酸素吸入デキサメタゾンバリシチニブトシリズマブヘパリン免疫反応重症人工呼吸管理/ECMO表1 COVID-19の主な治療薬図1 薬物療法。重症度に応じて、感染前半には抗ウイルス薬、後半以降は免疫抑制薬を用いる。薬 YEARBOOK '21/'22 デキサメタゾンは重症のアレルギー疾患、自己免疫疾患など多くの疾患、病態の治療に用いられてきた。COVID-19においてコルチコステロイドの抗炎症作用が過剰な炎症を抑制することが期待され、用いられる。臨床試験において死亡率を人工呼吸管理患者では41.4%から29.3%に、酸素投与を必要とした患者では26.2%から23.3%に低下させた2。ただし、酸素投与を必要としなかった患者では予後改善効果を認めなかった。6mgを1日1回10日間(経口・経管・静注)する。副作用として血糖値上昇、易感31特集1 歯科医師が知っておきたいCOVID-19の基礎知識3.免疫抑制薬症状発現から72時間以内、かつ基礎疾患などの重症化リスク因子を有する50歳以上の感染者を対象に新たな臨床試験が行われており、その結果が待たれる。1錠200mgの錠剤を初日3,600mg(1,800mg 1日2回)、2日目以降1,600mg(800mg 1日2回)を10日間、最長14日間内服する。注意点として、妊娠していないことを確認して投与すること、また、投与期間中および投与終了後14日間は避妊法を徹底すること、男性では投与期間中および投与終了後10日間まで避妊法を徹底することが必要である。副作用として尿酸値上昇があり、相互作用をきたす薬剤としてテオフィリン、スリンダクなどがある。

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