臨床に活かす! デンタルエックス線写真
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134(完全型)(歯頚型)破折線は歯根全体に及ぶ。このため排出される細菌量が分散し、歯根膜腔拡大と歯槽硬線消失が生じる。エックス線像は歯根表面に沿った帯状の透過像となる。歯肉縁上まで破折線が達していればプローブが深くまで入り、排膿路が確保されているため自発痛や瘻孔は出にくい。動揺による歯根膜腔拡大との鑑別では、同根反対側との違い(動揺が原因であれば同じ幅の歯根膜腔の拡大となる)を観察する。破折線は歯冠側から歯根の途中までにとどまる。細菌の排出部が頬舌方向にあること、歯周炎より細菌量が少なく急性的に進行するため、歯根に沿った透過像の幅径は狭く傾斜角も急となる(辺縁性歯周炎は慢性疾患で緩徐に進行し口腔内から侵入する細菌量も多いため、透過像の幅径が大きく傾斜角も緩やか)。歯周ポケットにより排膿路が確保されているため、瘻孔は生じにくい。歯根全長に沿って観察される透過像は辺縁が不均一で、近遠心の幅も異なる点が歯根膜腔拡大とは異なる。透過像は歯頚部~歯根中央部に沿って観察される。Type Aの歯根破折とそのエックス線像Type Bの歯根破折とそのエックス線像

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