臨床に活かす! デンタルエックス線写真
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16デンタルエックス線撮影には、必ず目的がある。歯周病の診断のため、う蝕の大きさを診るため、急性症状を有する歯の原因を特定するため、自分の行った処置の経過を観察していくためなどなど……。しかし目的意識がなく何となく撮影した写真からは、必要な情報を正確に得ることはできない。フィルムの位置づけが少しずれたり、照射角度や現像の条件が少し変わるだけでも像は変わってしまう。つまりそれは正しく診断できないことを意味している。しかし、適切な撮影を行うことで1歯単位の診査診断だけでなく、経過観察の精度も向上する。すなわち慢性疾患である歯科疾患を経時的に観察するには、規格性と目的を意識して適切にエックス線撮影を行うことが欠かせない。全顎の診査では10枚法を基本とするが、第三大臼歯が存在する場合など必要に応じて遠心部の撮影を追加する(14枚法)。デンタルエックス線写真を撮る[1]撮影の目的は何かを考えるとわかってくるもの適切なデンタルエックス線写真とは

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