ccbbaaあり,適度な流動性を確保するには,液1滴に対して粉約0.7gという混液比が推奨されている.しかし,粉液タイプのため,つねに同じ粘稠度で練り上げるのは非常に難しく,そこが「キャナルスN」の難点であった. しかし,2014年に「キャナルスN」とほぼ同じ処方で,ペーストタイプである「ニシカキャナルシーラーN」(日本歯科薬品 FIG 4)が登場した.これは,2ペーストダブルシリンジのプランジャーを押すことにより,1:1の比率で練板上に押し出すことができ, 軽く練和することで適度な粘稠度となる.したがって,術者の経験の差に左右されず画一的な練和ができ,臨床の質を担保することにもつながると考えている.別すると,シングルポイント法,側方加圧法,垂直加圧法,そしてそれらのコンビネーションテクニックがある(FIG 5).アクセサリーポイントスプレダーCHAPTER 8 エンドのイニシャルトリートメント③ 根管充填286FIG 5a シングルポイント法.最終拡大に用いたファイルと同サイズのマスターポイントをシーラーで満たした根管内に充填する方法.FIG 5b 側方加圧法.マスターポイントとアクセサリーポイントをシーラーと併用し,スプレダーの挿入,圧接により生じる側方圧で根管壁に密着させる方法.FIG 5c 垂直加圧法.熱により軟化したガッタパーチャをプラガーなどを用いて根尖方向へ加圧する方法.軟化や加圧の方法により,さまざまな術式がある.マスターポイントシーラープラガー熱軟化型ガッタパーチャシングルポイント法 シングルポイント法とは,基本的には,最終拡大に用いたファイルと同サイズのガッタパーチャのマスターポイント(コアマテリアル)を,シーラーを塗布した根管内に充填する方法である(FIG 5a, FIG 6). マスターポイントは,作業長に合わせて根管内に挿入した際に根尖部でポイント先端と根管壁がきつく適合し,抵抗があるものを選択する.必要があればポイントの先端を切って調整する.その際,できればエックス線写真にて根尖部での適合状態を確認することが望ましい. つぎに,ポイントの浮き上がりを防ぐためにシーラーを適切な硬さ(硬すぎても軟らかすぎてもいけない)に練和し,これをレンツロか,最終拡大に使用したものより1従来型シーラーを用いた代表的な根管充填法従来型シーラーとコアマテリアルを用いた代表的な根管充填法 過去より数多くの根管充填法が紹介されているが,大
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