fFIG 15f, g 根管処置時 (a〜e)と同日.歯冠部の歯髄を無麻酔で除去したところ,約5mm掘り下げたところで出血がみられ,同時に痛みを患者が覚えた.FIG 15h 知覚のある部位まで拡大,清掃を行い,水酸化カルシウム製剤「ビタペックス」を填入した.仮封はグラスアイオノマーセメントで行った.その後の治療経過はCHAPTER4 FIG 5で解説されている.iFIG 15i, j 1年4か月後.根尖病変は消退し,根管の狭小化がみられる.₅coronalkFIG 15k~m 1年4か月後のCBCT画像.根尖の発育はほとんど認められないが,歯髄腔の狭小化と根尖病変の改善が明らかである.₅EPT(+).この症例は,根尖病変があるからといって全部性歯髄壊死とは限らないことを示している.ghjmlな役割を果たす.したがって,根尖病変の病態は,根管からの病原物質の質・量ばかりでなく,根尖部歯周組織における免疫応答によっても決定されることになる5~17. 上記の根尖病変の免疫学的発生メカニズムの興味深い点は,根尖周囲の炎症性細胞浸潤,破骨細胞の増加,そして骨破壊は,全部性歯髄壊死に先立って現れることである18(FIG 15).これは,細菌の直接的な骨への影響よりは,むしろ宿主由来の可溶性メディエーターによる骨CHAPTER 1 歯内感染の病因論 歯髄炎と根尖性歯周炎(根尖病変)の発症メカニズム018sagittalaxial
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