マイクロデンティストリー YEARBOOK 2022
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a図3a,b マイクロラックス2の光を唇側から当てるとクラックが見え,内部のう蝕が透過する(b).PART2PART3PART4PART1bb234a図4a,b 隣接面う蝕によりコンタクトのエナメル質が欠損すると,遠心側の歯が近心に倒れ込み,めり込んでいるケースが多いので,う蝕除去時は隣接歯損傷を予防するためにアイボリー型セパレーターで歯間を離開したまま行う.図2 マイクロラックス2(モリタ).隣接面う蝕の診査,透照診に用いる.セパレーターと表面張力を応用し充填法を併用した2級CR修復図5 アイボリー型セパレーター(YDM).歯間を離開させ隣接面を充填する際に使用する.前歯部用であるが,ほとんどのケースで第一大臼歯・第二大臼歯間まで使用できる.別冊the Quintessence 「マイクロデンティストリー YEARBOOK 2022」57 マイクロスコープ下にミラーを用いて咬合面から観察しながら,マイクロラックス2(図2)の光を唇側から当てると,図3bのようにクラックが見え,内部のう蝕が透過する. 当院では隣接面う蝕をできるだけ早期に発見する目的で,すべての患者さんに歯科衛生士がマイクロスコープを用いて隣接面の透照診を行っている. 隣接面う蝕によりコンタクトのエナメル質が欠損すると,遠心側の歯が近心に倒れ込み,めり込んでいるケースが多い.隣接面のう蝕を除去する際に,隣接歯の損傷を予防するためにアイボリー型セパレーターで歯間を離開したまま行う(図4). アイボリー型セパレーターで歯間を離開させたまま,HighフローとLowフローのフロアブルレジンを用いて,表面張力を応用し充填していく(Kyu-Shu Technique*).充填後は歯間を離開させたまま,ニューメタルストリップスとEPITEXで形態修正,研磨を行う.研磨終了後,セパレーターを緩め,適切なコンタクトが得られていることを確認する.コンタクトがきつい場合は,再度セパレーターで歯間を離開し,形態修正,研磨を行う.コンタクトが緩いことはほとんどないが,その場合は,セパレーターで離開した後,接着操作を行い,コンタクト部にHighフローを流しファイルでなじませ,コンタクトを回復させる(図5~7).*当院ではアイボリー型セパレーターをキュルキュル(kyuru-kyuru),隣接面研磨のストリップスをシュコシュコ(shuko-shuko)と呼んでおり,それらを合わせてKyu-Shu Techniqueと呼ぶに至った.診査う蝕除去アイボリー型セパレーターとフロアブルレジンのみで充填

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