優秀なスタッフが集まる! 歯科医院のための採用から退職までのルールブック
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●アドバイスと対策歯科医院のスタッフは、女性が多くプライベートなことが理由での退職も多いため、常にそのことを念頭において2番手、3番手を育てる意識が必要です。おそらくリーダー的なスタッフさんが抑えていたAさんの悪いところが、退職により露呈したと思われます。改装も影響が出ることがあります。診療室でもスタッフルームでも、改装により働く環境が変わったら、声かけなどでしばらくスタッフの様子を確認していく必要があります。本ケースでは退職者面談を行ってこなかったそうです。よって退職者から得られる貴重な情報を聞き逃していたことになります。もう少し早く、Aさんの言動に関する情報を得られていれば、たくさんの離職者を出さずに済んだかもしれません。「退職者が増えた」「雰囲気が悪くなった」と感じたら臨時のスタッフ面談を行うと見えないことが見えてきます。それでもAさんのようなスタッフが出てきた場合の対応ですが、「ハラスメント」に該当すれば懲戒処分を検討し、情状に応じて重さを決定します。問題は今回のように懲戒処分までできるかどうかの微妙な場合です。この場合は、証拠もないので指導書を発行して、改善計画を出させます。懲戒処分とは異なりますが、効果はあると思います。指導書には、しっかり後輩を教えることと、厳しい発言は控えることを記載します。またAさんの責任であると断定はできないが、Aさんの発言で退職者が出ている申し出があったことを伝えます。それらを踏まえてどのように改善するかの書面を提出させます。120 

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