超速でわかる有病者にやっていい治療,だめな治療
1/6

やっていい歯科治療注意すべき歯科治療有病者の治療の基本的な戦略循環器系疾患の患者注射用製剤経口製剤骨吸収抑制薬脳血管・血液疾患の代謝性疾患の患者患者精神病などの患者血管新生阻害薬妊婦などそのほかの有病者5CHAPTER 1 有病者にやっていい歯科治療,注意すべき歯科治療デノスマブプラリア®ランマーク®パミドロン酸二ナトリウムアレディア®アレンドロン酸ナトリウム水和物ゾレドロン酸水和物エチドロン酸二ナトリウムダイドロネル®アレンドロン酸ナトリウムボナロン®,フォッサマック®リセドロン酸ナトリウムベネット®,アクトネル®リカルボン®,ボノテオ®ミノドロン酸イバンドロン酸ボンビバ®注スーテント®スニチニブネクサバール®ソラフェニブベバシズマブアバスチン®オンクラスト,テイロック®ゾメタ®ワルファリンカリウムエドキサバントシル酸塩水和物など出血の危険性を増大させるおそれクロルプロパミドなど血糖降下作用を増強させるおそれオフロキサシン,レボフロキサシン痙攣誘発作用を増強することがある水和物など血中メトトレキサート濃度を上昇させ,メトトレキサート作用を増強することがある炭酸リチウムリチウム中毒を引き起こす可能性利尿・降圧作用を減弱させるおそれヒドロクロロチアジドなど降圧作用を減弱するおそれ腎機能を悪化させるおそれ奥 結香(我孫子聖仁会病院口腔外科)抗凝血作用を増強するおそれ骨吸収抑制作用,破骨細胞活性化,RANKLを不活性化破骨細胞に取り込まれ,働きを抑制血管新生阻害,血管内皮細胞の増殖抑制作用で頬骨内の血管が消失 全身的な疾患をもつ患者で絶対的禁忌とされていたものでも,医学の進歩により抜歯が可能になってきています.しかし,他科主治医への照会を行い,患者の全身状態を十分に把握し,必要な対策と治療計画を立案して抜歯を行うことが重要です.また常用薬によっては,服用中に抜歯を行うと顎骨壊死を生じるおそれや(表1),鎮痛薬の処方(表2),麻酔薬(表3)や抗菌薬の処方に注意が必要な場合があります.1-2単純抜歯してはだめな病気・薬表1 顎骨壊死を生じる可能性がある薬剤.ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤ビスフォスフォネート製剤チロシンキナーゼ阻害薬抗VEGFヒトモノクローナル抗体表2 NSAIDs併用注意薬.クマリン系抗凝固剤第Ⅹa因子阻害剤スルホニル尿素系血糖降下剤ニューキノロン系抗菌剤免疫抑制剤(葉酸代謝拮抗薬)リチウム製剤チアシド系利尿剤降圧剤アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤カブトブリルなどアンギオテンシンⅡ受容体拮抗剤などロサルタンカリウムなど

元のページ  ../index.html#1

このブックを見る