CHAPTER 3COLUMNエックス線撮影および画像診断の重要性⇒ここが肝きも! 口腔内の診査・診断を行う上で,とくにデンタルエックス撮影は重要な方法であり,またう蝕の部位,大きさを確認するにも有効な手段である.図Aのように口腔内を観察すると₆咬合面にう蝕を認める.デンタルエックス線写真を撮影してみると,歯髄腔に近接するう蝕を認める(図B).視診からは想像しづらいう蝕の大きさである.また,視診ではう蝕は認められないようなケースでも,デンタルエックス写真を撮影すると,₅の遠心隣接面にう蝕を認める(図C). CR修復においては,極力歯質を温存したいし,多くの歯質が残存すればするほど充填時の難易度も低く,成功率も向上するからこそ,早期発見が重要となってくる.現在では,マイクロスコープやIOSに隣接面のう蝕検知補助機能などが付いているものもある.しかしながら,デンタルエックス線写真はう蝕だけでなく,根管治療や歯周治療の診査・診断においても大変重要である.まずはデンタルエックス線での診断を確実に行う必要があると考える.図16d 術後.歯質とレジンとの境界にステップがないように研磨を行い,処置を終わらせている.図16f 術後6年.軽度の咬耗は認められるが,再修復するほどではない.図A ₆咬合面にう蝕を認める.図B 歯髄腔に近接するう蝕を認める.図C ₅の遠心隣接面にう蝕を認める.図16e 術後4年.破折やチッピングなどのトラブルもなく推移している.87CHAPTER3 部位ごとの勘所を知る:臼歯部編
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