ストローマンRFTデンタル(図13) 自家骨の骨構造・組成を模倣して製作されたブロック状の吸収性骨補填材料.コラーゲン線維に沿って低結晶性のHAがナノオーダーで整列し,自家骨とほぼ同等の組成比HA:Col=80:20(wt%)を有し,気孔径100~500μm,気孔率95%である.湿潤時スポンジ状の弾力性を示し,高い骨伝導能と吸収性により,速やかに骨組織に置換される.直径11 mm×高さ12 mmの円柱状であり,抜歯窩に容易に適合させることができることから,ソケットプリザベーションにおいてもっとも有効な材料であると考えられるが,顆粒状の骨補填材料との併用でリッジオグメンテーションにも有用と思われる. オズボーン(図14) 2019年に薬事承認された非吸収性合成HA骨補填材料.他の多くの骨補填材料同様,多孔性構造を有し,顆粒上の細孔が相互に連通する. セラソルブMと同じCurasanの製造であり,わが国では顆粒径0.25~1.0 mmのものが0.5 cc入りで,また1.0~2.0mmのものが1.0 cc入りで提供されている.非吸収性であり,サイナスフロアエレベーション,リッジオグメンテーションなどにおいて有効な材料と思われる. オステム A-Oss(図15) 2020年に非吸収性骨再生用材料として歯科適応承認されたウシ焼成骨である.顆粒径が0.25~1.0 mmのSと1.0~2.0 mmのLがあり,Sは0.1~2.0 gの5種類,Lは0.25~2.0 gの4種類が販売されている. ガイストリッヒ バイオオスと同様にウシ由来なのでヒト海綿骨と類似したカルシウムとリンの含有比率を有し,非常に微細な表面構造の多孔質材料である.非吸収性材料なのでGBRによるリッジオグメンテーションやサイナスフロアエレベーションなど造成した骨が吸収されにくい部位への応用に有用と思われる.巻頭企画1 13図13 リフィット デンタル(左),ストローマンRFTデンタル(HOYA提供).図14 オズボーン(ジンヴィ・ジャパン提供).国内認可骨補填材料の適応と最新情報 2023/2024図15 オステムA-Oss(OSSTEM JAPAN提供).300μmのマクロ気孔と三重気孔構造を有する.気孔率は82.5±5.5%と非常に高い.0.6~1.0 mm,1.0~2.0 mmの2種類の顆粒径のものが1ml入りのシリンジが2個包装され提供されている.これまでのHAよりも焼成温度が低いのでリモデリングする.ただし,吸収は緩徐であり,サイナスなど感染のおそれのほぼない部位や,吸収してほしくない唇頬側方向への水平的な骨造成に用いるのが適当と思われる. リフィット デンタル/
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