THE ORTHO PERIO PATIENT
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を引き起こす.10代後半に上顎正中縫合部は一旦骨化すると,手術によってのみ拡大が可能となる.手術をともなう外科的急速拡大(SARPE)には,外科的介入とそれに続く拡大装置の活性が必要である.図8-3は,適切な外科的介入を行い,コルチコトミーにより可動性の骨セグメントを形成した後,成人に使用したSARPE装置を示した.図8-4は,骨格性の変化を達成するために歯科矯正用アンカースクリュー(TAD)を使用した拡大装置である.図8-2 ハス拡大装置.図8-4 歯科矯正用アンカースクリュー(TAD)を使用した拡大装置.び相対的欠損症例,不十分な鼻腔容量,完全口蓋裂患者,歯の抜去によって顔貌の不調和が生じるアーチ長症例が選択され,これは今でも議論のあるところである. それ以来,歯科矯正の臨床では,口蓋拡大を達成するためのさまざまな異なる手法が使用されてきた.半急速または緩徐拡大(SPE,約1.0mm/週,450~900gの軽い持続した力)および急速拡大(0.5mm/日,10~20ポンドの整形外科的な力)が,歯冠支持または組織/歯冠支持装置として一般的に使用されてきた.どちらのアプローチも,望ましい拡大を達成するための骨格と歯の変化という点では,同じ結果が得られるようである.これらの手法は主に前思春期や思春期の患者に採用されてきた96CHAPTER 8: 矯正歯科治療と顎整形力における歯周組織への配慮図8-1 ハイラックス拡大装置.図8-3 外科的急速拡大(SARPE)装置.口蓋拡大の臨床的適応 1970年,Haasは口蓋骨拡大が臨床的に有用である5つの臨床状況を提案した2.すなわち,外科的および非外科的なClass Ⅲ症例,上顎の実質的およ

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