acbde下顎左側偏位をともなう成長期の過蓋咬合臨床家のための矯正YEARBOOK 2023075図9a~e 二期治療終了時(14歳6か月)のマウント模型とCPIデータ.咬合のズレはほとんどなく仕上がった.TMJレベルでのズレも少ない.れる問題を歯の移動によってではなく,下顎の成長を用いて治している.口腔内での歯の圧下のため,垂直的移動を用いたり,正中のズレによく用いる顎間ゴムも使用していないので,TMJへの負担は非常に少ない.そして達成された咬合,またTMJとの調和も無理なく行われているので,後戻りも少ない(図8). 矯正治療を行う時,矯正専門医はその患者の顔の成長,とくにTMJの状態を意識する.患者の口の中での歯並びだけではなく,矯正治療の他の治療目標を常に意識する必要がある. この成長期の患者では,口の中ですぐに認識できおわりに
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