12其の九義歯装着に際し必要なこと局部義歯装着時のチェックポイントシリコーンタイプクリームタイプ70 70 完成義歯の試適と大まかな調整1 視診で明らかな鋭縁や突起、顎堤のアンダーカット部分まで填入された義歯床は、そのまま装着すると粘膜の疼痛の原因となるため事前に削合する。つぎに、患者の口腔内に局部義歯を挿入し、定位置に収まるか確認する。クラスプやレストと支台歯が良好に適合するまで、必要に応じて義歯の内面やクラスプを調整する。この段階での義歯内面と顎堤または支台歯の干渉部位の確認には、クリームタイプの適合試験材(表9-1)を用いるのがよい。 完成前にロウ義歯を試適し、適合を確認したにもかかわらず、完成義歯を定位置に挿入できない場合、原因は次頁に挙げるようなものが考えられる。 印象採得から義歯完成までの過程で、義歯粘膜面や鉤(以下、クラスプ)等の適合や咬合にある程度のエラーが生じるのが一般的であり、義歯装着に際しては相応の調整が必要となる。そこで、完成義歯を患者の口腔内に装着し、機能させるために必要な調整の手順と、ステップごとの確認事項について解説する。過圧部の検査が可能粘膜と義歯床の間の厚みを測定可能利点一度の検査に時間がかかる比較的高価欠点義歯装着時の咬合調整終了後の適合の確認主な用途擦過部位の検査が可能短時間で繰り返し検査可能比較的安価粘膜と義歯床の間の厚みを測定不可顎堤または支台歯との干渉の確認表9-1 適合試験材の比較。臨床上の知識と押さえておくべきポイント有床義歯(局部義歯・総義歯)の装着 の巻
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