保険の有床義歯 臨床&請求 虎の巻
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其の二 保険の総義歯の基礎知識 の巻技工ステップ診療ステップ総義歯製作の実際2121  総義歯製作の手順1 義歯の新製の工程を図2-6にチェアサイドおよび技工サイドを交えて示す。❶問診・検査 まずは、患者の主訴を把握する必要がある。患者が何に対し困っているかをよく聞き出し(咀嚼、審美、発音などのどこに問題があるか)、義歯の新製によって解決できるかを後の検査で判断していく。 続いて、患者の全身的健康状態は義歯の予後にも関係するので、注意深く問診を行う。術者が患者の全身状態の把握をするとともに、患者に対して義歯の維持が難しくなることや潰瘍を形成しやすくなることなどを、あらかじめよく説明しておく必要がある。糖尿病患者と高血圧患者の例を図2-7に示す。 問診が終了したら口腔内の検査を行う。顎堤の形態や粘膜性状(固さや厚み)、対向関係、骨隆起の有無などをチェックする。また舌の後退がないかなどについても確認しておくとよい(図2-8)。あわせて旧義歯の検査を行う。義歯床の適合、床外形、人工歯の排列や咬合関係などをチェックする。必要に応じて咀嚼能力測問診・検査概形印象精密印象咬合採得顎運動関連検査ロウ義歯試適(仮床試適)義歯装着研究用模型の製作診断各個トレーの製作作業用模型の製作設計線の記入咬合床の製作咬合器装着人工歯排列埋没・填入図2-6 総義歯の製作工程。2

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