2023年1月 3 最初のプレオルソの本を上梓してからあっという間に6年が過ぎました。最初の本は、初めてプレオルソを使う先生、また患者さんへの説明用として作成しました。前半はプレオルソ装置の作用機序、使い方、メインテナンスなどを説明し、後半は治療前・治療後の写真を多く掲載しました。今回の新しい本「続・プレオルソで子どもの歯ならびを治す! 機能的マウスピース矯正装置の使い方」は、プレオルソ装置をすでによく使用されている先生向けに作成しました。特に症例の分析、治療方法、経過についてより詳しく掲載しています。この6年間でプレオルソ装置は多くの先生に使用していただき、開発者として大変嬉しく思っています。患者さんにとっては、アライナーでもプレート床矯正でも口腔内に入れる取り外しができる装置は、ひとまとめに「マウスピース型装置」と呼ばれているのが現状です。そこで装置の分類として、プレオルソは「機能的マウスピース矯正装置」の中の一つとして定義することで、患者さんによりわかりやすくなると思っています。最近、特にアライナー系の装置を取り扱う先生が増えています。この装置は、歯科医師の技術に大きく左右される装置です。しかし機能的マウスピース矯正装置(プレオルソ)は、比較的プロトコルがしっかりしており、術者によって大きく結果が変化しない特性があります。また、大きく違うところは、機能的な側面です。機能的マウスピース矯正装置に分類される他の装置と違って、プレオルソは外形が大きく異なります。この特異的な形状によってプレオルソを使った口腔機能訓練法を行うことで、正しい舌の使い方・発音の仕方、口呼吸から鼻呼吸へ、口の周りの筋肉の正しい使い方を身につけることができます。子どもの健やかな全身の発達・成長を願い、本書を通してより多くの患者さんや保護者に本治療法を知っていただき、鼻で呼吸ができる生活を取り戻し、また、しっかり食べて健康的に咀嚼できるお口作りの一助となれば幸いです。最後に本書の編集に多大なるご協力をいただいた執筆者の先生方、またクインテッセンス出版社の皆様に厚く御礼申し上げます。大塚 淳大塚矯正歯科クリニック院長まえがき
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