バンドの選択とフィッティング1abdcde[シームレスバンド,トミーインターナショナル]バンディング時のバンドシーターの使い方◦咬ませて押し込むバンドが適切なサイズより小さいため,入りきらず浮いている歯面との間にほぼ隙間がない辺縁隆線より少し下にバンドの上縁が位置するバンドが適切なサイズより大きいため,歯面との間に隙間が見えるバンドのサイズ,見方バンドには,サイズ,左右側,上下顎などの基本的な情報が篆刻されている.文字が記載してある方が歯の近心に位置するよう合着する必要があるため,間違えないよう注意する.バンドの選択と適合の調整さまざまなサイズをそろえたバンドセット(a)から,患者の歯の大きさに合うバンドを目算で選択し,指で該当歯にはめ込む.バンドの上縁が辺縁隆線より少し下(0.5~1mm)あたりで全周にわたってほぼ隙間なく適合するものを選択の目安とする.バンドが歯により適合するよう,バンドシーターやバンドプッシャーで裂溝部や辺縁にあたる部分を押し込んで圧接する(b, c).ここで適合性を高めておくことが,ロウ着のために一度口腔外に外したバンドを適切に口腔内に戻して試適・セットするために重要となる.バンドが入りきらず浮いたり,大きすぎて歯との間に隙間ができている場合はバンドを選択しなおす(d, e).バンディング時のバンドプッシャーの使い方◦バンドの裂溝部,辺縁に接する部分を押しつける矯正器具と治療技術の基礎知識Chapter 3※バンドプッシャーは圧接する際に滑って歯肉を傷つける事故が起こる場合があるため注意する.滑っても歯肉を傷つけないようにするには,器具を押しつけている歯の,器具が滑って向かいそうな先に指を添え,歯の周囲の軟組織を保護するようにする.数字はサイズ◦バンドの裂溝部,辺縁に接する部分を押しつける左右側(L=左,R=右)上下顎(U=上顎,L=下顎)127
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