別冊the Quintessence 「YEARBOOK 2023」MGJを越えない歯肉退縮量(MGJと比較)検査法視診・プロービング・エックス線・ボーンサウンディングMGJを越える完全な根面被覆の難易度CEJ〜退縮した辺縁歯肉歯間部の骨・軟組織の位置退縮した辺縁歯肉の位置易難Millerの分類Cairoの分類 歯肉退縮の改善には,まず悪化させる要因をできるだけ改善することから行い,その変化を再評価する.わずかな歯肉退縮の場合,ブラッシングを適切に行うことにより改善が認められることもある.しかし,悪化させる要因が改善しても,臨床での多くは歯肉退縮の状態に変化が少なく,解剖学的要因の改善を図る必要に迫られることが多い. また,歯肉退縮の見られる歯周囲の歯周組織の厚みについて着目すると,歯肉の厚みも骨の厚みも薄い場合(Maynardの分類 Type4)が多く見受けられ,phenotypeもThin-Scallopの状態が多い.そのような状態を改善するためには,歯肉の厚みを増大させる歯間部の骨・軟組織の状態喪失なしClass 1Class 2RT1総論 安全・確実な根面被覆術Class 3RT2喪失ありClass 4RT3図2 Millerの分類.図3 Cairoの分類.ことでMaynardの分類のType4からType3へ改善するとともに,小帯の高位付着や歯の位置異常についても可能な限り改善することが望ましい. 1985年,Millerが根面被覆の可能性について歯肉退縮の分類(Millerの分類)を報告した(図2).また,Millerの分類では判別できない状態があり,2011年にはCairoらが隣接面部と頬側のアタッチメントレベルを比較し,完全な根面被覆の難易度の分類(Cairoの分類)を報告している(図3).根面被覆術の完全な根面被覆が期待できる隣接面部の付着の喪失がないCEJは近遠心部では視認できない完全な根面被覆が期待できる隣接面部の付着の喪失があるアタッチメントロス 隣接面≦唇側部分的な根面被覆が期待できるアタッチメントロス 唇側≦隣接面根面被覆は期待できない隣接面部の付着の喪失がある113根面被覆術の適応症
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