Chapterエンド編32a23456b白血球IL-6サイトカインCRP12時間1日ストレス刺激3他の急性期タンパク赤沈図1 う蝕は認めないが頻繁に冷水痛,咬合痛で来院.臼⻭部に食いしばりによるマイクロクラックが多数確認できる.図2 C3,C4や根尖病変が多数あり,どの⻭も痛みがでてもおかしくないようにみえるが疼痛はない.₂のみ対合⻭と接触している状態である.上顎左側臼⻭のクラウンの脱離で来院.図3 炎症マーカーの経時変動(参考文献1より引用改変).図4 右側臼⻭部の疼痛を主訴に来院.₁の遠心にファセットと捻転があり,右側方運動時のガイドの消失が疑われる.図5a,b パノラマエックス線写真で下顎角部の発達が確認できる.顔貌からも咬合力の強さ,ブラキシズムがうかがえる.59は⼀時的なストレスなどにより発症している場合がある.ストレスや習癖の有無を確認し,疲れている⼈は休息や睡眠の時間を増やして体⼒の回復を促す.⼀時的なストレスなどが原因であれば,数⽇経過すれば炎症は落ち着く(図3)1.ただし,軽度の炎症であったとしても根尖病変や歯周疾患による細菌性の炎症の場合と断定できるものは抗⽣物質を投薬して細菌量を減らし,補綴装置の除去,咬合調整などの応急処置を⾏わなければならない. 重度の炎症は時間をおいても改善しない.理由として,⼝腔周囲筋の多くが過緊張を引き起こし,緊張が緩和するまでにかなりの時間を要するからである.その間,絶え間なく咬合を続けるため,痛みがさらに増すこととなる.このような場合,咬合調整を試みても痛みが増すため,ケースによっては簡易的に製作できるバイトプレートが有効である.このようなケースは,炎症を発症している側と反対側の歯列に即時重合レジンをブロック状に製作する.咬み込まないように下顎を閉じ,咬頭が点状に当たるところまでフラットになるように削合する(図4~7).それを1週間前後,炎症が落ち着くまで⾷事以外装着してもらう.ただし,患側の歯の挺出を招くため,⻑期間使⽤してはならない.これらの⽅法で炎症が軽度になれば治療を⾏っても差し支えない.(2)炎症が重度:患⻭が接触しないバイトプレートをつくる
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