若手臨床サブノート_臨床編
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Chapter口腔診断編2 実際に処置を⾏いながら,術前,術中,術後の各ステップにおいて記録を残すことは⾮常に有効である.⻭科治療はとくに患者さん⾃⾝が何をされているのかわからないことが多い.根管治療はその最たるものであろう.もし⾃分が患者さんの⽴場であれば,何をされているのかよくわからないことに費⽤と時間はかけられない.全顎的に治療を⾏う際,根管治療が複数⻭に及び,2~3か⽉を要する場合もある.そのようなとき,患者さんのモチベーション1図1 ⼝腔内規格写真5枚法.₃₃にクラックが存在しており,なぜこのクラックが存在しているのかを考える機会となる.図3a 上顎前⻭部補綴処置後の正⾯観.図3b 術後2年.メインテナンスの際,上顎前⻭部の⻭並びが変わった気がすると訴えた.確認すると矢印の部位に変化を認めた.なお撮影したカメラを変更したため,2枚の写真の⾊調が異なっている.図4a プロビジョナルレストレーションを外した状態でCLP(⾚)とLGTP(⻘)の印記を⾏う.図4b 図4aの状態を頼りに咬合調整を⾏っていく.補綴装置は⾼めに製作されている場合が多く,エングラムが⽣じやすい.図2a 咬頭嵌合位.図2b 右側⽅運動時.₁に対してコンポジットレジン修復や補綴治療を⾏う際に,このことを理解していないとチッピングや脱離の原因になる.15をさまざまな⼿法を⽤いて維持する必要があり,そのうちの1つが術中の写真である.ぜひ有効に活⽤し,良好なコミュニケーションの⼀助としてほしい. また,⼝腔内写真はトラブル回避の役割も担っている.再根管治療の際,補綴装置を外すと破折していることも考えられる.そのようなときには抜⻭を宣告する根拠を視覚的に提示することで,トラブルなく治療を進められる.さらに,インレーやフルメタルクラウン(FMC)をセット後,噛み合わせが変局所の写真で伝えられること

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