1はじめに1 当院では,初診時と再初診時は例外なく⼝腔内規格写真を撮影している.初診時には⼝腔内規格写真とパノラマエックス線写真を⽤いて1分ほどで治療計画が⽴案できなければならない.パノラマエックス線写真から下顎頭の左右差,⼝腔内規格写真からファセット等を確認し,相関関係などを考える.そうすることで,どのような習慣があり,なぜ⼝腔内が壊れたのかを考えることができる(図1,2).そしてまた,それを患者さんに伝えることで信頼関係を構築する強⼒なツールとなる.さらに,加齢とともに「⻭並びが変わった気がする」という患者さんの訴えにも応じることができる.初診時の資料があれこれが大事!「治療計画・治療順序編 30ページ参照」1.口腔診断編 ⽇々の診療で⼝腔内写真を習慣的に撮ることは⾮常に重要である.時間がないから,スタッフがいないからと初診時の⼝腔内写真を撮らないとする.しかし,初診時はそのときしかない.初診時の⼝腔内の記録を撮る機会はもう2度と訪れない.慣れてしまえば⼝腔内規格写真5枚法は2分程度で撮ることができる.その記録があることで患者さんとのトラブルが避けられ,また治療前後の変化を実感させることでモチベーションの維持向上を⾏うことができるので,必ず撮るべきである.14①⼝腔内規格写真から伝えられること②局所の写真で伝えられること③⼝腔内規格写真の基本ば何年でどのように変化したのか,あるいは変化していないのかなど,具体的に説明することが可能となる.そのような訴えに対し,具体的で納得のいく説明を⾏えるかどうかで患者さんの信頼度は⼤きく変化する(図3). ⼝腔内規格写真から伝えられることは以下の3点である.・くさび状欠損(WSD)やファセット,⾻隆起から習癖の予想・サイナストラクトなどの軟組織に現れる問題・⼝腔内の経年的変化の理解⼝腔内規格写真から伝えられること患者さんと信頼関係を築く第⼀歩:⼝腔内写真の重要性⼝腔内写真をみせることで患者さん⾃⾝のモチベーションアップ
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