サイナスフロアエレベーションアルティメットガイド
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a図3a,b 上顎洞底最深部が大臼歯部にあり,洞底が比較的なだらかな形態は,骨に沿わせて粘膜剥離子を進めやすく洞粘膜を損傷するリスクが低いため難易度Sである.上顎洞が大きく,近心壁が前歯部付近まで及んでいるものは,近心鋭角部で洞粘膜を損傷しやすいため,難易度Tである.b1.上顎洞側方面観による難易度 図3aのように,上顎洞底最深部が大臼歯部にあり洞底が比較的なだらかな形態は難易度Sである. 洞粘膜を損傷しないためには,粘膜剥離子の先端が骨から浮かないように必ず骨にそわせながら進める必要がある20).上顎洞底最深部が臼歯部にあり,洞底が比較的なだらかな形態の場合は,骨に沿わせて粘膜剥離子を進めやすく洞粘膜剥離時に粘膜を損傷するリスクが低い.ラテラルウインドウテクニックの開窓に際して,これまで頬骨下凌部付近に開窓することが推奨されていたが(図3の赤楕円),このような形態の場合には本方法でよいと考える. 図3bのように,上顎洞が大きく,近心壁が前歯部付近まで及んでいるものは難易度Tである. 上顎洞近心壁が鋭角に前歯部付近まで及んでいる形態に対して,図3a同様に頬骨下凌付近に開窓すると,開窓部から近心壁までの粘膜剥離(赤矢印)はブラインドとなり剥離子を骨に沿わせながら洞粘膜を剥離することが困難であり,近心鋭角部で粘膜を損傷しやすい.このような形態の場合,青楕円で示すように開窓部を上顎洞近心壁付近に設けることにより,剥離子を明視下に骨に沿わせながら進めやすくなり,近心壁鋭角部を鈍的にアプローチすることが可能となる.その結果,洞粘膜の損傷を防ぐことが可能になる.74難易度S難易度T1.上顎洞側方面観による難易度

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