う。フラップをあまり開けないと、盲目的な作業が多くなること、造成量に制限があることなどの問題が生じる。そして、骨造成というのは、切開、剥離、骨補填材、膜の設置、閉鎖などさまざまな要因が完全な状態となってはじめて骨が造成されるものであり、中途半端な術式は思わぬトラブルを引き起こし兼ねない。TypeⅡに対するゴールドスタンダードな治療は、いまだ確立されていないといえる。38術前術前術前即時埋入・リッジプリザベーション・ソケットシールドテクニック・リッジプリザベーション・ソケットリペアテクニック・水平的GBR・垂直的GBR・ブロック骨移植術後 ₁インプラント 術後 ₁₂インプラント術後 ₂インプラント・水平的GBR・早期埋入・水平的GBR・即時埋入・ディストラクション TypeⅢ(図38)は、硬組織も軟組織も吸収しているケースである。そのため、必ず大掛かりな硬・軟組織造成が必要とされる。何度か手術をしなければならない場合も多く、高い審美性を回復するためには難しい症例といえる。インプラント治療の経験が少ない術者は、むやみに手を出さないほうがよいケースといえる。 最初に症例の難易度を把握し、それにあった術式を選択することが非常に大切である(図39〜43)。図36 Elianの分類TypeⅠ。唇側骨も唇側粘膜も吸収していないため、その状態をキープするような術式が用いられ、比較的簡単なケースといえる。図37 Elianの分類TypeⅡ。唇側骨は吸収しているが、唇側粘膜は吸収していないため、一見やさしそうに見えるが、難しい状態である。侵襲性が高いGBRを行う、もしくは唇側の粘膜の位置を維持しながら侵襲度の低いGBRを行うこととなる。悩ましいケースといえる。図38 Elianの分類TypeⅢ。唇側骨も唇側粘膜も吸収しているため、双方ともに造成しなければならない。侵襲性の高いGBR、CTGをともなうこととなり、審美性を回復するには困難なケースといえる。Elianの分類 TypeⅠFacial Soft Tissue:Present(+)Buccal Plate of Bone:Present(+)Elianの分類 TypeⅡFacial Soft Tissue:Present(+)Buccal Plate of Bone:Reduced(-)Elianの分類 TypeⅢFacial Soft Tissue:Reduced(-)Buccal Plate of Bone:Reduced(-)
元のページ ../index.html#2