驚くほど臨床が楽しくなる! こだわりエンドサブノート
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骨切除・掻爬・根尖切除の重要性6-7Author:栗原 仁108歯根端切除の目的 歯根端切除は,イスムスやフィンの確実な切除,感染部位の切除,逆根管形成のための幅の確保,逆根管充填のためのスペースの確保などを目的として行う.骨切除 歯根端切除は,ケースにより骨切除の必要なものと必要でないものの2つに分かれる.■ 骨切除の必要がないケース 唇側の骨が薄い皮質骨では,骨吸収が生じていることにより,骨切除を必要としないこともある.根尖病変により骨が穿孔(フェネストレーション)しているケースでは,感染源のある根尖を中心に骨のフェネストレーションを発見することができる.稀に,パーフォレーションや側枝によりフェネストレーションの中心が歯冠部寄りになっていることがある.その場合は,その位置が感染源である.■ 骨切除が必要になるケース 骨切除の必要なケースの多くで,X線写真で根尖部に透過像が確認されても,唇側の皮質骨の厚さにより歯肉を剥離後も,根尖部の位置が特定できないことがある. また,骨切除が必要なケースの多くが初期の根尖病変や深部の根尖病変が見られ,口蓋側にフェネストレーションがある場合は剥離を行う唇側の皮質骨が厚いなどの問題を有しており,歯根端切除の難度は高い.■ 骨切除のポイント 骨切除を行ううえで重要なポイントは,デンタルX線写真やCT画像上での,歯頸部や歯冠部など距離を測定できる部位から根尖までの距離である.切開,剥離を行うことで軟組織上での距離は不確かなものに変わるため,正確な距離の測定が重要になる.とくにオトガイ孔付近の距離は,かなり正確に割り出さなければならない.掻爬 掻爬とは不良肉芽の除去であるが,不良肉芽と正常な組織の違いを術中に見分けることは難しい.サイナストラクト(瘻孔)と不良肉芽は正常な結合組織を巻き込みつながっているケースがほとんどである.剥離を行う時点で根尖病変の不良肉芽と骨膜が癒着しているため,剥離時にメスやはさみで切断する必要がある. 次に根尖病変内の不良肉芽について掻爬の方法を述べる.歯根端切除を行う部位を決め,CT画像やデンタルX線写真上で根尖病変部位を確認後,不良肉芽の除去を行う.嚢胞壁の厚いものであれば一塊で除去できることもあるが,そのようなケースは稀である.たいていの不良肉芽図1 根尖病変の存在する口腔内写真.骨切除が必要ない症例である.根尖病変が皮質骨を喪失させ結合組織にサイナストラクトが存在するため,根尖部位の確認は容易である.1baa図2 a:根尖病変の存在するCT画像.部位により皮質骨の厚みが異なり,病変が骨欠損を起こすまでの時間も異なる.下顎よりも上顎の皮質骨が薄く,吸収までの時間が早い傾向にある.そのため慢性化しやすく,無症状の時期が長く来院時に初めて気づくことが多い.b:根尖病変部位の特定が難しい症例のCT画像.根尖病変が存在し,骨切除が必要ない症例(図1,2)根尖部の位置が特定できないために骨切除が必要なケースは,歯根端切除の難度が高い“エンド” こだわりポイント

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