日本歯科評論5月号
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₁ 保ほ坂さか啓けい一いち₂髙たか木ぎ仲なか人と図1 光沢があり,境界明瞭なWSL. 日常の診療において歯の白色病変を目にすることは少なくない(図1).初期う■は脱灰と再石灰化というダイナミックな変化を繰り返しており,その均衡が崩れミネラル成分が溶出し,表層・表層下脱灰することで白色の変化が生じる.一方で,ホワイトスポット病変(White spot lesion,以下WSL)は非う■性のエナメル質の表層・表層下脱灰である.ミネラルが失われエナメル質の光学的特質に変化が生じた結果,透光性の低下によりエナメル質表層が不透明な白色として観察できる.マルチブラケットシステムによる歯列矯正歯科治療の長期間におけるプラークの停滞,歯牙フッ素症,エナメル質形成不全およびMIH(Molar Incisor Hypomineralization)などさまざまな要因により引き起こされるため,原因の鑑別やホワイトスポットの深度の深さを推測することは審美性の改善にも必要不可欠である.₁門前仲町髙木歯科 徳島大学大学院口腔科学研究科口腔科学専攻再生歯科治療学 〒135-0045 東京都江東区古石場2-14-1₂徳島大学大学院医歯薬学研究部 再生歯科治療学分野 教授 〒770-8503 徳島県徳島市蔵本町3-18-15日本歯科評論(通刊第967号) 45はじめにClinical reportホワイトスポット病変(WSL)への対応について

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