日本歯科評論2月号
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中なか道みち 勇いさむれている. 医師と比較して遜色ない基礎医学的教育を受けても有効に生かされてこなかった. 昨今,口腔と全身の健康の関連性が叫ばれていても,身分法により歯科医師の取り扱える範囲は限られている.今回は,医科における有形の技術としての「検査」と「処置」,「手術」についてみていく. 戦後,日本において結核死亡率は激減したが,これにはストレプトマイシン,パスなどの抗生物質の開発が大きな役割を果たした.昭和37(1962)年に抗生物質の使用制限が緩和され,薬剤の大量投与と価格の高い薬の使用への傾向が顕著となった.また,昭和49(1974)年頃より,臨床検査部門での多チャンネルの自動分析装置の導入が活発になり,血液検査が広く行われるようになった.  昭和42(1967)年には透析療法が健保適用となり,■年後に更生医療,育成医療の適用で患者負担が軽減し,翌年高額医療費支給制度の発足を契機に日本歯科評論(通刊第964号) 111 昭和17(1942)年末,国民医療法が発布されてから医歯一元論(歯科医も一般医師と同じように必要に応じて人体の何処を診療しても差し支えないような資格に改める)が活発に議論された.昭和19〜20年には指定の歯科医学専門学校の卒業者で■年以上歯科診療の習練を経て■年以上歯科診療に従事した者は,当分の間医師試験を受験することができ,その合格者で更に■カ月以上医師としての診療の習練を経た者に医師免許が与えられることとなった.昭和20(1945)年■月に特例の医師試験が実施され,合格者は昭和21(1946)年■月から■カ月間の診療の習練を経て医師免許を付与されたが,本令の措置は■回限りであった. 歯科医師も医師も人体の疾病を診療するという点からいえば,全く同一であって広い意味からは何れも医師である.また,歯科医学が医学の■つの分科であることは,眼科,耳鼻咽喉科等と全く差はないのに,歯科医師だけが特に一般医師とは別扱いにさ中道歯科医院〒930-0106 富山市高木2366-1はじめに医療技術の進歩2024年度診療報酬改定に向けて歯科の適正医療費は歯科の適正医療費は4兆3,800億円である4兆3,800億円である!!-その2 医科にみる「検査」と「治療」の実態--その2 医科にみる「検査」と「治療」の実態-

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