日本歯科評論2月号
7/9

丸まる山やま俊とし正まさ6543210 現在,わが国における若年者のう■は,年々減少傾向にある(図1).筆者の診療室でも,若年者の口腔内でう窩を発見する頻度は減っているように感じている.この理由として,フッ化物配合歯磨剤の普及やメインテナンス通院に対する国民の意識の変化などが考えられる.う■病変は減少し,定期来院も増える中,われわれ歯科医院側にはよりきめ細やかな口腔管理が求められる時代になっている. う■の減少は喜ばしいことであるが,小窩裂溝からのいわゆるHidden Caries,隣接面う■などは依然として散見され,中心結節や盲孔などの解剖学的リスクに対する対応に苦慮することも多い.また,第一大臼歯と切歯に限局して発症するエナメル質形成不全であるMolar-Incisor Hypomineralisation(MIH)を日常臨床で目にすることが相対的に多くなってきている. そこで本稿では,若年者にみられるこれらの病変について,臨床現場での対応についてまとめてみたい.図1 ■人平均DMF歯数(DMFT指数)の年次推移(永久歯:■〜15歳未満)(「平成28年歯科疾患実態調査」より).■人平均DMFT指数を見ると,若年者のう■は年々減少傾向にある.日本歯科評論(通刊第964号) 85(本)199319995~8歳9~11歳2005〒813-0041 福岡県福岡市東区水谷2-50-1 SJR千早₁F12~14歳20112016(年)まるやま歯科若年者の永久歯を護る―幼少期の脱灰病変へのアプローチ―

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る