日本歯科評論10月号
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須す藤どう 享すすむ  発生している歯根吸収について,その分類と推定される要因,進行度合いなどの情報を整理・分析したうえで,治療計画の立案を行っていく. まず,歯根吸収の分類のうち,表面吸収は推察された外的要因を取り除くことが必要となる.また,置換性吸収は積極的な治療介入は困難である.ここでは,その他の治療介入可能であると考えられる歯根吸収に対して検討する(図20). 歯根吸収に対する治療の基本コンセプトは,以下の■つである. 細菌感染による炎症が歯根吸収の要因となっている可能性が高い.となれば感染源の除去と,再感染防止が必要となる.とりわけ根管治療的アプローチを用いる場合,ラバーダム使用など基本的な感染制御体制を整えることが非常に重要である. 歯根吸収は吸収組織が存在することで進行する.進行抑制と再発防止という観点から,吸収組織をしっかり除去することが重要となる.しかし吸収組織は,歯根象▶Contents: Ⅰ.歯根吸収の分類 Ⅱ.歯根吸収の要因 Ⅲ.歯根吸収の診断 ………………9月号掲載 Ⅳ.歯根吸収の治療 Ⅴ.症例供覧  Case1:外傷歯の炎症性 ………………本号掲載  Case2:歯根内部吸収およびその進展の結果と思われる歯根外部吸収  Case3:歯頸部外部吸収  Case4:炎症性吸収 ………………11月号掲載₁)感染制御₂)吸収組織除去吸収医療法人くすのき 南光台歯科医院〒981-8003 宮城県仙台市泉区南光台2-15-24110 THE NIPPON Dental Review Vol.82 No.10(2022-10)₁.治療コンセプトⅣ.歯根吸収の治療2.歯根吸収歯を保存していくには―その病態と対応歯根吸収

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