EBMはじめの一歩
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Ⅲ章ではRCTの “問題点=限界” について勉強しました.RCTはあらゆる臨床疑問に対する万能薬ではないことがわかりました.また,“臨床研究の王様”と呼ばれるRCTでも,さまざまな弱点を持つのですね.エビス先生:図Ⅳ―₁―aのようなピラミッドをみたことがありますか? Dr.ビギナー:はい,みたことがあります! RCTが最も信頼性の高い研究デザインで,複数のRCTを統合したシステマティックレビュー・メタアナリシス(SR/MA)が,さらにその上に君臨しています.RCT,システマティックレビューはやはり“王様”ですね!エビス先生:この“エビデンスピラミッド”は1990年代から用いられてきました.しかしながら,この考え方は崩れつつあります.RCTにもさまざまな問題点があり,杜撰な研究もあります.一方で他の研究デザインでも,適切に行われていれば,信頼に足る情報源と成ります.図Ⅳ―₁―bをみてみましょう.これは2016年に提唱された改訂エビデンスピラミッド1)です.どのように変化していますか?88 複雑化するエビデンスピラミッドコホート研究と症例対照研究1研究デザインを学びなおす

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