ブックタイトルapollonia_201701

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概要

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2017.01 G03歯周病とは 歯周病は、歯の周囲にある歯周組織に発症する炎症性病変です。基本的には、歯牙に付着したバイオフィルムによって発症する、歯牙と歯肉の付着部の感染症と考えられます。歯周病は細菌(プラーク、歯周病原菌)、宿主側の要因(免疫応答、炎症反応)、環境因子(ストレス、喫煙)により発症する病気です。 1965年のH. Loeの実験的歯肉炎の研究により、プラークが原因であるとされて以来、細菌学的・病理的に詳細に研究されています。特に近年の遺伝子の解析に基づく研究には目を見張るものがあります。注目される全身疾患との関わり 近年、歯周病の病原菌が、糖尿病や循環器疾患などの全身疾患に影響を及ぼすことが報告されるようになりました。先日、NHKの「ガッテン!」で全身疾患と歯周病の関係について放送された翌日には、当院にも多くの問い合わせをいただきました。近年の超高齢社会における咀嚼と認知症の研究、QOLへの貢献といった認識も高まったように思えます。 2001年発行のギネスブックに、「全世界で最も蔓延している病気は歯周病である。地球上を見渡しても、この病気に冒されていない人間は数えるほどしかいない」という記述があるほどで、歯周病は人類史上最大の感染症ともいえます。プロービングの目的 プロービングは、歯周病の進行状況を診『歯周病学用語集 第2版』より改変査する、最も簡単な診査方法です。歯周ポケットが4㎜以内であれば、セルフケアで口腔内を管理することができますが、4㎜以上の場合は嫌気性菌が増える口腔内環境になり、歯周病菌の温床となります。 また、歯周基本検査は1点以上の歯周ポケット測定と歯の動揺度検査を行うのに対し、歯周精密検査では4点以上の歯周ポケット検査を行い、プロービング時の出血の有無、歯の動揺度を調べることにより、多角的に歯肉の状態を診査し、3次元的な状態を把握することができます。 歯周ポケットの深さとプロービングの深度と出血、排膿の有無で、歯周病の進行程度を診査することが可能です。また、プロービング時の触覚により、歯根面の歯石の沈着の有無、大臼歯の分岐部の病変についても推測することができます。プロービング 歯周プローブを用いて歯肉溝やポケット内を探索すること。プロービング挿入圧は20?30g前後で、ポケット深さ、アタッチメントレベル、歯肉縁下プラークの有無、歯肉縁下歯石の有無、歯根面の形態、ポケット底部の炎症の有無を知ることができる。 歯軸に平行に上下的に動作する垂直的プロービングと、根分岐部病変部において頬舌的に挿入する水平的プロービングがある。