ブックタイトルapollonia_201701

ページ
28/38

このページは apollonia_201701 の電子ブックに掲載されている28ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

apollonia_201701

2017.01 114他業界からのメッセージ「木組み」を通して日本の伝統文化の魅力を伝える木組み博物館 館長217展示物に触れられる博物館―「木組み」とは、どのようなものですか。谷川 「木組み」は釘を使わず、木自体に切り込みを入れて、はめ合わせたり、つな 「木組み」を中心とした日本の伝統木造建築に関わる技術や素材、道具などを幅広く展示・紹介している「木組み博物館」が東京・早稲田にある。定年退職後、仲間とともに私費を投じて同博物館を開設した館長の谷川一雄氏に、館の特徴や日本の伝統文化への思いなどを伺った。谷川一雄 氏木組み博物館 館長学芸員、一級建築士http://www.kigumi.tokyoいだりする、日本が世界に誇る伝統木造建築技術です。大まかには木材を直線につなぐ「継手」と直角や斜めにつなぐ「仕口」に分類され、4000種類にも上る技法があります。 その歴史は、桜町遺跡(富山県小矢部市)で発掘された木組みにより、4000年前の縄文時代にまでさかのぼることができます。6世紀に入ると、仏教とともに伝来した建築様式と技術を取り入れ、大きく発展しました。当館は「木組み」を中心に土壁、漆、鬼瓦、和釘など、日本伝統の素材や道具を展示しています。──博物館の特徴をお聞かせください。谷川 通常、博物館や美術館では、来館者が展示品に触れるのを禁じていますが、当館ではほぼ全ての展示品に触れることができ、その質感や重みを体感していただけます。「五感を使って味わい、楽しんでほしい」というのが当館の基本的な考え方です。 例えば木組みなら、木肌のぬくもりを肌で感じたり、木の放つ心地良い香りをかいだり、木を外したり組み合わせたりする