超速でわかる象牙質知覚過敏症
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鈍麻(歯磨剤など)象牙細管組織液の凝固 結晶物系 レジン系蓋蓋蓋蓋蓋 そのほか系(合 バ成ロージニッンシ)系ュマ グーセラスメンアトイオ系ノ【タイプ】蓋(象牙細管口の封鎖) 【系】そのほか系 【作用の強さ】★★★☆ 【治療の容易さ】★★☆☆●概要・特徴 ナノサイズのフルオロアルミノシリケートガラスの水分散液(A液)と10%リン酸水溶液(B液)により構成されています.A液とB液を混和して5〜20秒歯面に塗布すると,耐酸性のナノ粒子析出物を形成し,象牙細管を封鎖します1.●作用機序 ①A液とB液を混和するとフルオロアルミノシリケートガラスがリン酸と反応し,ガラス粒子が凝集を始めます.②混和液を象牙質面に塗布すると,フルオロアルミノシリケートガラスの凝集体が沈着すると同時に,酸性の混和液が歯質の無機成分と反応し,厚さ1μmの耐酸性のナノ粒子析出物を形成.③シリケートは脱灰歯面に沈着し,エナメル質の耐酸性に寄与すること,フッ化物はフッ化カルシウムとして歯面【タイプ】蓋(象牙細管口の封鎖) 【系】バーニッシュ(合成ロジン)系 【作用の強さ】★★★☆ 【治療の容易さ】★★☆☆●概要・特徴 1981年に販売開始されました.基材1g中に,フッ化ナトリウム50mgを含有する黄褐色不透明な懸濁剤で,芳香があります.●作用機序 露出象牙質表面にフッ化物が取り込まれフッ化カルシウムを生成することで象牙細管を封鎖し,外部の刺激を遮断することで知覚鈍麻を示します.●使用の注意点・ポイント ①本製品はフロアブルレジンに性状が近く,とろっとしているため,練成充填器で成形す沈着し,脱灰抑制効果や再石灰化効果の報告があります.●使用の注意点・ポイント ①塗布前の処置に必ずしも緻密な配慮を必要とせず,多少の唾液や血液が付着した歯面にも適用できます.そのような場合,混和液で唾液や血液を置換するように2回以上,新鮮な混和液に交換するとよいです.②歯肉溝深部や臼歯隣接面歯頸部など,こすり塗りができない部位にも有効です.③歯質と反応し,歯周組織とは反応しないため,歯肉溝内に塗布された場合でも歯周組織を刺激しません.④多数歯に対しても操作が簡便で,着色や舌感の変化を生じないため,第一選択薬として選びやすいです. (解説 大原直子)●問合先 日本歯科薬品(株)〒750-0015 山口県下関市西入江町2-5 Tel. 083-222-2221るのが難しいので(A),そっと歯面に置くのがよいです.②知覚過敏部位に本製品を塗布する際に,練成充填器にて成形後(B),水を含んだ小綿球を用いて固化させ(C),なるべく4〜6時間程度,歯面に保持するようにします.小綿球で保持できるように形を整えますが粘りがあり,すぐには固まりません.③塗布時間中は食物などの摂取を控え,舌による物理的剥離を避けるよう説明します.④剥離片は吐き出すようにさせます.  ●問合先 ビーブランド・メディコーデンタル〒533-0031 大阪市東淀川区西淡路5-20-19Tel. 06-6370-4182(解説 伊田百美香,保坂啓一)参考文献1.韓臨麟,石崎裕子,福島正義,興地隆史.試作フッ化物含有歯面コート材に関する研究.エナメル質,象牙質の表面性状に与える影響について.日歯保存誌.2012;55(1):53-9.CHAPTER 6 こんな場合にはどうする? 象牙質知覚過敏の対応③ 象牙質知覚過敏用歯磨剤,抑制剤ベスト23解説62●Aフロアブルレジンのような性状でとろっとしている.●B練成充填器にてバニッシュ塗布し成形している.●C小綿球で水を滴下し,本製品を固化させている.ナノシールFバニッシュ歯科用5%6-186-19

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