必ず上達歯科小手術
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b図1-4-8b 骨膜剥離は,骨膜の下に剥離子を滑り込ませることを意識して剥離する.a図1-4-8a 骨膜の強い付着部では,骨膜剥離子は小さく擦るように剥がす.24 第1章 小手術の基本事項 1 起始点を決める 切開部を粘膜剥離子などで展開し,骨膜切開された部分を剥離開始の“とっかかり”となる起始点として骨膜剥離子を骨面に沿わせ骨膜下に挿入していく(図1-4-5). 2 剥離を進める 起始点から切開線全体の骨膜剥離を広げていく.このとき骨膜剥離子は,鈍部を骨膜に当てて起こすように展開していく(図1-4-6).骨膜の強い付着部では,骨膜剥離子は小さく擦るように剥がし(図1-4-8a),また小さく回転させて起こしていく(図1-4-6).図1-4-5 骨膜切開された部分を剥離開始の起始点として骨膜剥離子を骨面に沿わせ骨膜下に挿入していく.図1-4-6 起始点から骨膜を剥がしていく.骨膜剥離子の先端を骨膜下へ少しずつ挿入し,小さく起こして進めていく. 3 軟組織と連続する部分は緊張をかける 骨膜上の組織が軟組織と連続していると剥離操作の展開で妨げとなるため,筋鈎やガーゼを持った手指にて切開部に緊張をかけることで,剥離しやすくする.ただし,過度の緊張をかけて,骨膜上の組織が裂けてしまわないように注意する(図1-4-7). 4 剥離子を進めていく 以上の要領で一部が剥離できれば,粘膜剥離子などでその部分を押さえながら緊張させて,剥離を進めていく.粘膜骨膜弁を鈎などでさらに展開し,術野を確保していく(図1-4-8).図1-4-7 筋鈎やガーゼを持った手指にて切開部に緊張をかけることで,剥離しやすくする(緊張のかけすぎに注意).29骨膜 合併症を招かない 剥離のポイント剥離の基本的な手順

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