必ず上達歯科小手術
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(2)胡弓執刀法(バイオリン弓把持法) (図1-3-4) 可及的に弱い力で繊細に切開する場合などに用いられる切開法で,メスを寝かせるため,広い術野で脆弱な組織を切開する場合に用いられる. 1 メスを把持する(1)執筆執刀法(ペングリップ法)(図1-3-3) 一般的には,口腔内の執刀作業は,細かい動きが求められるため,本法によるメス把持が多く用いられる.皮膚や腱などの切開では力を要するため,人差し指をメス刃裏まで伸ばし,圧力をかけて切開することもできる.24図1-3-3 執筆執刀法(ペングリップ法).図1-3-5 7遠心切開の際,舌側と頬側両方から牽引し緊張させる.頬側のみ牽引させ切開した場合,緊張を解くと切開が舌側にずれやすい. 2 切開面を緊張させる 歯肉のような非可動粘膜だけの切開には不要であるが,頬粘膜のような可動粘膜に及ぶ切開では,切開面に適切にメスを入れる際,手指(ガーゼを使う)または筋鈎で組織を緊張させて行う(図1-3-5,1-3-6). 切開線に垂直に緊張させる場合は,可能な限り両側から牽引することが望ましい.偏った緊張では,切開面がずれやすいため,展開される術野を意識して組織を緊張させる.図1-3-4 胡弓執刀法(バイオリン弓把持法).図1-3-6 頬粘膜から7歯肉への切開.切開の方向である頬側のみ筋鈎で牽引し緊張させている.切開の基本的な手順2

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