新版4-Dコンセプトインプラントセラピー
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図H メッシュを固定せずに実施された外側性GBRの術前・術後.隣在歯の骨レベルを結んだラインより外側性に組織が再生していることに注目.れるように,メッシュで術野のすべてを被覆するのではなく,コラーゲン膜の下に必要な部分にメッシュを位置づける.そうすることにより,粒子状の移植材とコラーゲン膜のみではスペースを維持が困難な外側性の骨造成が可能となる(図14).13-D adjustment of titanium mesh:チタンメッシュの三次元的な調整 チタンメッシュ応用における1つのハードルとして,求められるスペースに適合するように三次元的にベンディングする点が挙げられる.とくに前歯部では顎堤がカーブしているため,頬舌的,近遠心的に2方向に曲げる必要がある.1方向であれば容易に曲げられるが,同時に2方向に曲げることは不可能である.対応策として3つの方法が考えられる.・独立した一方向に曲げられたメッシュを顎堤のカーブに合わせて配置する(図E).・ラインアングルに沿ってスリットを入れ重ね合わせる:われわれは厚さ0.1mmの比較的柔らかく,操作性の高いメッシュを使用している(図F).・三次元に曲げられる特殊なメッシュを使用する:厚さ0.15mmであるが,非常にフレキシブルで,スリットを入れなくてもある程度三次元的に調整できる.必要に応じて重ね合わせてベンディングすることにより,さらに強い湾曲を与えることが可能になる(図G). 骨造成処置において,移植骨,移植材を安定化させることが重要と考えられている.組織の再生には血餅の安定が必要である.インプラントのオッセオインテグレーションはマイクロモーションによって阻害される可能性をもっている70.そして動揺の大きさは100㎛程度になると問題になることが示唆されている71. またラットにおいて1日に30秒間の間に0.5mmの動揺を20回起こすことによりチタンチャンバー内への骨の再生が阻害されることが示されている72.微少の動揺が骨再生にとって不利であることは明らかだが,GBRにおける膜またはチタンメッシュの167Chapter 5 GBRの進化とその臨床的意義

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