はじめての顕微鏡 マイクロスコープが「見える」「使える」ようになる本
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■ どうしても像が1つに見えないときは?[ワンポイント] ここまで解説してきた手順に従えば,両目で立体的に見ることができるように顕微鏡を調整できているはずである.しかし,なかには像が1つに見えない人もいる.なぜそうなってしまうかというと,そういう人は近くを見るときのように眼球を無意識に内転させてしまっているからである. 「鏡体のしくみ(P.12)」で解説したように,可変鏡筒は双眼鏡である.そのため,近くを見るときのように眼球を内転させてしまうと,像が1つにならない.顕微鏡では観察する対象が近くにあるため混乱するかもしれないが,双眼鏡を覗くのと同様に遠くを見るようにするのがコツなのである. どうしても難しければ,可変鏡筒を鏡体から外してしまうのも手である.鏡体から可変鏡筒を外すと双眼鏡と同じになる.双眼鏡のようにして遠方を見ながら瞳孔間距離を調整すればいい.ただし,注意したいのは,可変鏡筒を外すときにくれぐれも落下させないように注意することと,再装着時にはネジをしっかりと締めることである.近遠通常,肉眼で近くのモノを見るとき眼球は内転している.この状態で双眼鏡を覗いても対象をうまく見ることができない.顕微鏡も同様で,眼球が内転した状態で覗いても立体で見ることはできない.コツは,遠くのモノを視るときのように左右の眼球を平行にして,無限遠を視るようにすること.ネジを緩めて可変鏡筒を外し,調整を行う.くれぐれも可変鏡筒が落下しないように厳重に注意をすること.瞳孔間距離の調整を終えて元に戻したら,ネジをしっかり締めることも忘れてはいけない.双眼鏡を覗くようにして瞳孔間距離を調整する.PART2〝見える〞顕微鏡にするための設定・オプション29

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