インプラントYEARBOOK 2018
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 2017年10月時点で日本には65歳以上の高齢者が約3,514万人おり,全人口の27.7%(高齢化率)を占め,80歳以上人口が1,000万人を突破している.今後もこの傾向は継続し,2025年には65歳以上人口は総人口の40%,75歳以上人口も25%を占めると予測されている1).要介護者率もそれにともない上昇するため,インプラントが口腔内に存在する要介護者への対応がより一層求められる. 日本歯科医学会が2012年に実施した「歯科インプラント治療の実態・課題等について」のアンケート結果2)では,インプラント治療を受ける患者は50~60代が多く,さまざまな合併症をもった患者が来院している状況が明らかになった(図1). また,術前の臨床検査の実施率は比較的高いが,医科への対診・協力体制が不十分であることが報告され,今後患者の全身状態に対する医科との密な連携が必要とされている.図1患者の医科的治療歴において主治医(医科)へ照会を行っている病名・状態日本歯科医学会によるアンケート調査「歯科インプラント治療の実態・課題等について」では,さまざまな疾患を有した患者がインプラントを希望している実態と,医科へ照会する程度が明らかになった.(文献2より引用・改変)虚血性心疾患高血圧症先天性心疾患感染性心内膜炎呼吸器疾患肝機能障害腎機能障害胃・十二指腸潰瘍糖尿病甲状腺疾患副腎疾患精神疾患脳血管障害貧血出血性素因自己免疫疾患アレルギー疾患特殊感染症ステロイド薬使用患者ビスフォスフォネート系薬剤使用患者抗血栓療法薬使用患者口腔癌治療の既往口腔癌以外の癌治療の既往その他の全身疾患その他の薬剤使用照会はしない0%10%20%30%40%50%60%70%80%n=4675.8%4.3%6.0%30.4%34.3%52.2%64.9%36.6%33.6%39.8%36.8%47.8%18.4%51.4%28.7%21.0%28.3%65.3%12.4%36.6%40.9%33.0%41.1%45.4%48.8%68.5%超高齢社会とインプラント治療の現状インプラントYEARBOOK 2018 巻頭特集超高齢社会のインプラント治療は何が変わったのか

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