検証MTA
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120内部吸収では,一般的に水酸化カルシウムの貼付により吸収を抑制することが行われるが,穿孔が起こっている場合にはどのようにして根管充填を行うのかが課題となる.また,外部吸収でも,水酸化カルシウムにより進行を抑制し,その後根管充填を行うが,治療期間が長くなることや根尖部封鎖の不確実さが問題となっている.そこで,これらを解決できる可能性がある材料としてMTAが注目されている.以下にMTAを用いた治療例を紹介する.内部吸収の治療内部吸収の治療では通常の根管治療を施すが,吸収部やその周辺の複雑な根管系に対して,超音波装置に専用のファイル形状の超音波チップを装着し,器械的拡大を行うと効率的である.化学的洗浄では,有機質を溶解さ内部吸収と穿孔をともなった症例図2a 31歳の女性.初診時のデンタルエックス線写真.2に内部吸収が認められる.図2b1~3 CBCT画像により遠心側に穿孔が確認できる.図2c 根管治療を開始.図2d 「ProRoot MTA」にて根管充填.図2e 術後6か月のデンタルエックス線写真.図2f 術後1年のデンタルエックス線写真.病変の治癒が確認できる.2coronal2sagittalaxialacdefb1b2b3CHAPTER 9 内部吸収・外部吸収の治療内部吸収と外部吸収の治療方法9-4

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