検証MTA
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52Lawatyテクニック—細い根管への充填前述のような方法でアピカルプラグを形成するためには,プラガーが根尖部付近まで届く必要があるため,少なくとも#60程度の太さまで根管が拡大されている必要がある.一方,細い根管に対してMTAを充填する方法として,Lawatyテクニック5(図2)が紹介されている.このテクニックでは,形成が終了した根管内を乾燥させ,根管口を覆うようにして混和したMTAを髄腔内に多めに填入する(図2a).つづいて,マスターアピカルファイルよりも1サイズ小さなK-ファイルを作業長まで挿入し,上下動させながら根管壁に沿って円周状に動かし,根管の歯冠側を漏斗のように使用してアクセスキャビティに填入したMTAを根尖まで送り込んでいく(図2b).根尖部にMTAが充填されてファイルの挿入深度が浅くなれば,1サイズ大きなK-ファイルに交換し,同様の操作を行う(図2c).順次,挿入深度が浅くなれば太いファイルに交換していき,根尖から4〜5mmのアピカルプラグができた時点でエックス線写真を撮影し,緊密に充填ができていることを確認する.K-ファイルは#60までを使用し,その後はプラガーを使用するという手順である(図2d).しかし,気泡を混入させずに緊密にMTAを充填することは非常に難しいため,筆者らは,この方法を採用することはほとんどなく,基本的に#60程度まで拡大した根管にMTAを適用するようにしている.Lawatyテクニック図2a 根管内を乾燥させた後,練和したMTAを髄腔内に多めに填入し,根管口を覆う.図2b まず,マスターアピカルファイルよりも1サイズ小さなK-ファイルを用いて,MTAを根尖まで送り込んでいく.根尖部にMTAが充填され,ファイルの挿入深度が浅くなるまで操作する.図2c ファイルの挿入深度が浅くなれば,1サイズ太いファイルに交換していき,#60まで同様に操作する.図2d その後はプラガーを用いて,目標とする位置までMTAを充填する.abcd4図2aMTA4図2マスターアピカルファイルよりも1サイズ小さなKファイル4図2c4図2dプラガーCHAPTER 4 根管充填

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