生涯歯を残せる時代の5つのスキル
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第4章 失活歯治療1858 クラウン精密印象困ったときは?浸出液が出てくる場合は?⇒この場合、徐々に糸が湿ってくるため、ガーゼ(繊維が出にくい不織布のようなもの) を圧迫止血するようなつもりで置く。水分を吸い取り紙のような形で吸収でき、糸 の湿り気を取ることができる。通常は隣接面に浸出液が出やすいので、隣接面に不 織布をひっぱった状態で置く。糸をエアーで乾かすのもよい。綿球は糸が残るため、 できれば使わない。底部が出血している場合は?⇒止血剤をつけた綿球を糸の上に置いて拭く。糸を通じて止血剤が歯肉溝底部にしみ こむ。止血剤使用後、血液が凝固してかさぶたのようになった場合は、1回水で洗っ て拭く。なお、2本目の糸には止血剤の成分が入っている。 2本目圧排の目的は、歯肉溝を広げることである。歯肉溝内に入れるというよりも、歯肉溝の頂点から少しはみ出すくらいの状態とし、糸の太さで横幅を広げるような意識で行う。2本目の糸は、シャンファー形成面の上に載るのではなく、右図のように1本目の糸の上、かつ歯肉溝に密着した位置にあるのが望ましい。2本目の圧排の手順a~c:2本目の糸は1本目の糸の上に歯肉溝から1 / 3 はみ出すように置いていく。1本目(黒糸)と同様にスプーンエキスカで糸を隙間なく入れていく。もし2本目が歯肉溝に入らない場合は、1本目の糸を細い糸に変えるとよい。d:2本目は最低でもポケットの1 / 3までは入れる。f:2本目の圧排終了時。このまま10分間放置し、歯肉溝を広げる。長時間放置しないよう注意する。e:余った糸は外科用ハサミでカットする。abcdef➡➡➡➡ 2本目の圧排を行う4手 順1本目の糸ここに2本目の糸がくるこの位置ではない1本目の糸ここに2本目の糸がくるこの位置ではない

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