パーシャルデンチャー治療 失敗回避のためのポイント47
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85リジッドコネクション~遊離端欠損症例における欠損の長さによる処置方針の違い~第2部 治療編Ⅲ リジッドコネクション・ウィズ・ヒンジ筆者は下顎大臼歯の2歯程度の短い遊離端欠損は,通法のコーヌステレスコープクラウンを支台とするリジッドサポートのパーシャルデンチャーの適応症ではないと考えています(図2-8-1).この場合は,リジッドコネクションの支台装置と義歯床との間にヒンジ(蝶番)などの可動部を設けて,床の遊離端部の沈下を許す設計を検討します3,4.この概念が,リジッドコネクション・ウィズ・ヒンジです(図2-8-2).これに対してコーヌステレスコープクラウン支台のパーシャルデンチャーはリジッドコネクション・ウィズアウト・ヒンジで,すなわちこれがリジッドサポートです5.厳密なリジッドコネクション・ウィズ・ヒン■リジッドサポートの考え方同じ咬合圧顎堤粘膜の被圧変位量は同じ強固な連結図2-8-1 短い遊離端欠損と長い遊離端欠損におけるリジッドサポート適応の影響.顎堤粘膜の変位量が同じである場合,短い遊離端欠損にリジッドサポート(リジットコネクション・ウィズアウト・ヒンジ)を適応すると負荷方向が歯軸から外れ,歯根膜に外傷を生じるが,長い歯列欠損は歯根膜支持を維持することができ,機能力を効果的に負担することができる(参考文献3,4より引用改変).■リジッドコネクション・ウィズ・ヒンジ図2-8-2 短い遊離端欠損の場合には,支台装置と義歯床の間の可動性をもつ連結様式であるリジッドコネクション・ウイズ・ヒンジを用いて,支台歯の保護を図る(参考文献5より引用改変).

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