今読むべきインパクトの高いインプラント80論文&88症例
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8. Implant-supported dental prosthesis7. Implant overdenture6. Ridge preservation5. Orthodontic implant4. Immediate implant placement3. Sinus augmentation2. Digital dentistry1. Bone augmentation23456781 症例の概要 サイナスリフトにおいて、サイナス内の隔壁や斜面における治療は、クレスタルアプローチにおいて困難な症例になる。 通常クレスタルアプローチではドリリングは洞底骨1mm手前まで行うが、斜面では遠心は1mm手前でも、近心は3~4mmもあり、その骨の厚みの差によって、残った骨が打ち抜けないために難症例になってしまうケースが多い。そのため、骨内において推進力があり、かつシュナイダー膜を傷つけにくい器具が必要になる。 処置内容とその根拠 オステオプッシャーは先端がラウンド状でシュナイダー膜を傷つけにくく、径が2.4mmから4.0mmまで5段階になっており、骨質や骨厚に応じて選択することにより回転力を推進力に変えて骨内を進むことができる。下記の症例のように通常のクレスタルアプローチでは難しい症例を、このような利点をもつ器具にて克服できた。オステオプッシャーを使用したクレスタルアプローチにおける隔壁と斜面への対応水口稔之(東京都開業)Krennmair G, Ulm C, Lugmayr H. Maxillary sinus septa: incidence, morphology and clinical implications. J Craniomaxillofac Surg 1997 ;25(5):261-265.図5 理想的にはこのような埋入を想定する。図6 上部構造装着時パノラマX線写真。ほぼ想定どおりの埋入ができた。図7 症例2:保存不可能なインプラントを除去して隔壁に埋入する。図8 鋭い隔壁に沿っての埋入は、正確な手技が求められる。図9 上部構造装着時パノラマX線写真。理想的な埋入ができた。図10 埋入部位中央に隔壁があり、隔壁の近心と遠心の両方に骨造成して埋入する。図11 埋入のイメージ。図12 結果は近遠心ともにイメージどおり骨造成ができた。35図1 平らな洞底では1mm手前にドリリングすればいいが、斜面では困難になってしまう。図2 クレスタルアプローチ用器具オステオプッシャー。先端がラウンド状である。(画像はプラトンジャパン社のご厚意による)図3 症例1:補綴的に理想的な位置ではサイナスの急な斜面になってしまう。図4 洞底1mm手前までのドリリングだが、近心には多くの骨が残る。68

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